Shokz OpenFit 2は、耳をふさがないオープンイヤー設計によって、周囲の環境音をしっかりと聞き取りながら、快適な音質体験を実現する、いやゆる「ながら聴き」に適した完全ワイヤレスイヤホン。
Shokzと聞くと、骨伝導イヤホンを連想する人も多いかもしれませんが、ここでレビューする「OpenFit 2」はオープンイヤー型のイヤホンです。
大人気だった前モデル初代OpenFitから大幅な改良がなされ、記事執筆時点ののAmazonの販売ページでは「過去1ヶ月に2000点以上購入されました」と表示されていることから、こちらも相当な人気製品であることが予想される一品。
さっそくその新型を入手してきたので、初代モデルとの違いもあわせてレビューしていきたいと思います!
Shokzとは
OpenFit 2の具体的な販売台数は公表されていませんが、Shokzは2023年に世界でもっとも売れているオープンイヤーイヤホンおよびスポーツイヤホンブランド。
また、Shokzの骨伝導イヤホンは2020年に日本国内で販売台数シェア81.2%を記録していることからも、Shokz OpenFit 2も高い人気を誇っていることが推測されます。
たしかに骨伝導イヤホンというとShokzというイメージはあったけど、いやーここまで売れているとは知らんかった!
スペック
ブランド | Shokz |
---|---|
連続再生時間 | リスニング:最大48時間(イヤホン単体だと最大11時間) 通話:最大20時間(イヤホン単体だと最大20時間) |
待機時間 | 最長270日間 |
充電時間 | 充電ケース使用時:60分 ケースのみ充電時:100分 |
急速充電 | 10分の充電で2時間のリスニング可能 |
電池容量 | イヤホン:56mAh(Min) 充電ケース:600mAh(Min) |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.4(A2DP/AVRCP/HFP) |
耐汗・耐水機能 | イヤホン:IP55 充電ケース:非防水 |
素材 | イヤホン:ポリカーボネート/シリコン 充電ケース:ポリカーボネート |
重さ | イヤホン(片方):約9.4g 充電ケース:約53g 総重量:71.8g |
カラー | ブラック/ベージュ |
スピーカー種類 | 空気伝導変換器 |
実売価格 | 25,880円(Amazon調べ:2025/02/17時点) |

パッケージと同梱物
記事執筆時点ではブラックとベージュの2種類のラインナップの中から、ブラックをチョイス。 イヤホンに限らず、ガジェットを買うときは思考停止でブラックを選択する私ですが、OpenFit 2はベージュも高級感がある感じで、正直今回はかなり迷いました。
まあ結局はブラックを選んじゃうんですが…(笑)

イヤホン以外の同梱物は、製品シリアルナンバーが記載された紙と説明書、充電用のUSBケーブルのみ。
まあ、ワイヤレスイヤホンに同梱されているものは、大体こんな感じですな。

外観
そしてこちらが、イヤホンが入っている充電ケース本体。
おしゃれなパッケージとあいまって、化粧品とかジュエリーが入っていそうな気がしてきます。
ところでこのSHOKZ、ショックズと読みそうになりますが、正しくは「ショックス」と読むらしいです。

ツルンとしたケースの外観は、背面に充電用のUSB-Cポートがあるのみ。
イヤホンを収納した状態でここにケーブルを差し込むことで、充電ケースとイヤホンを同時に充電することができます。

フタを開けると、X字になる形でイヤホンが収納されていました。
この画像ではたまたま右が上になっていますが、順不同なので順番を気にせず適当に収納してしまってOK。

ケースの手前側にあるLEDインジケーターで、現在のバッテリー残量や充電状態が確認できます。(バッテリー残量が多いと緑:少ないとオレンジ)
また、初期設定時はケースからイヤホンを取り出すだけでペアリングモードになるので、Bluetooth接続もラクラク。 最近のBluetooth機器は接続が簡単になったもんですなあ!
ちなみに2回目以降は、インジケーター上部にある丸いボタンを3秒ほど長押しすることでペアリングモードに突入します。
装着感
上記の通りOpenFit 2は、耳をふさがないオープンイヤー型デザイン。
湾曲している部分(イヤーフック)を耳にひっかけ、SHOKZのロゴが耳の穴の前に持ってくる形で装着します。

イヤーフック部はShokz独自のShokz Ultra-Soft Silicone 2.0というシリコン素材が採用されており、つけ心地はかなり快適で周囲の環境音もしっかり聞き取れるのは、これぞオープンイヤー型イヤホンの醍醐味といった印象。
個人的には1日中付けていても耳が痛くなることはなかったですが、耳がデリケートな人は長時間使用だと最初は痛くなってしまうこともあるかも。 ただ、無理せず慣らしていくことで次第に痛くなくなっていくはず。 なぜなら、私がメガネのつるで耳が痛くなってしまったときも、そうだったから。
また、片方のイヤホンの重量が9.4gとイヤーフック型としては軽量設計(初代OpenFitは8.3g)なのも、快適な装着性に大きく寄与していると言えるでしょう。

イヤーフック型として気になるのが、メガネとの併用。
私は普段メガネをかけていないのですが、装着感を確認するために手持ちの伊達メガネやサングラスと使ってみたところ、OpenFit 2を付けた状態でメガネをかけると、イヤーフックの内側にメガネのつるがスッと滑り込む感じで意外に違和感なく使えることがわかりました。
つるが細いメガネはもちろん、比較的つるが太いサングラスでも問題なかったので、メガネと常時併用する人でも問題なく使うことができるでしょう。
あわせて実際のランニング時にも使ってみたところ、走っていてもずれてきたりすることなく快適な装着感だったということもお伝えしておきましょう。
ベッドで横になっての寝ながらリスニングも問題なし!
音質
音楽鑑賞時
Shokzの独自技術がいろいろと盛り込まれているOpenFit 2ですが、スピーカーシステムもこれまた独自。 中でも特筆すべきは、OpenFit 2から搭載された「DualBoostテクノロジー」でしょう。
具体的には、低音域を担当する17.3mmの超大型ドライバーと、高音域を再現する独立した高周波ドライバーが各イヤホンに内蔵されており、深みのある低音とクリアな高音が同時に楽しめるシステムのこと。
さらに、Shokz独自のOpenBass™ 2.0技術と組み合わせることで、低周波の振動を直接耳に伝え、オープンイヤー型でありながらより迫力のある低音を提供してくれるとのこと。

それらを踏まえた上で実際に音楽を聽いてみたところ、たしかにオープンイヤー型イヤホンとしては、かなりハイレベルな聴こえ方。
低音域、中音域、高音域の慣らし方のバランスに優れていて、音に分離感がなく長時間リスニングでも疲れにくい聞こえ方でした。 中でも17.3mm低周波ユニットの恩恵もあり低音域がとくにパワフル! 専用アプリでブーストしてやることで迫力のあるリスニングを楽しむことができました。
バランスの取れたサウンドで豊かな音声が楽しめる一方で気になったのは、インイヤー型のイヤホンほど音量が大きく鳴らないことと、最大まで音量を上げるとわずかではあるけど音に歪みが感じられたという点。
普段遣いには最適な音質である一方で、純粋に音楽を楽しみたいという人にとっては、若干の物足りなさが感じられることがあるかも。

通話時
OpenFit 2を使い始めてから、電話やオンラインチャットの通話でも何度か使用しましたが、スピーカー、マイクともに性能は上々で、通話相手から聞こえにくいと指摘されることもありませんでした。
プライベートだけでなく、ビジネスシーンでも安心して使えるレベルに到達していると言えるでしょう。

音漏れについて
OpenFit 2には、DirectPitch™ 2.0という周囲への音漏れを最小限に抑える技術が搭載されています。
DirectPitch™ 2.0とは、音源から耳までの距離や角度を最適化することで音の指向性を高め、結果音が直接耳に届き外部への音漏れを抑制する技術のこと。
専用アプリのプライベートという音漏れを抑制するモードを併用することで、オープンイヤー型でありながら音漏れをかなりのレベルで抑制することができます。

もちろん爆音で音楽を鳴らしたら周囲にも聴こえてしまいますが、相当静かな環境でない限りはそこまで気にして音量を調整する必要がないのも嬉しいポイント。
操作性
初代OpenFitからの大きな変更点として、イヤホン本体に物理ボタンが搭載されたというものがあります。
タッチパッドによる操作も継承されています(SHOKZロゴのZの後ろ辺りをタップする)が、長押しでAIアシスタント起動という操作のみに絞られており、イヤホンを取り外す際に誤操作してしまう心配がなくなりました。

音楽鑑賞時の操作 | ||
---|---|---|
左右いずれかのボタン | シングルクリック | 音楽の再生/停止 |
ダブルクリック | 次のトラックに進む | |
トリプルクリック | 前のトラックに戻る | |
通話時の操作 | ||
左右いずれかのボタン | シングルクリック | 着信に応答する |
ダブルクリック | 通話を終了する | |
トリプルクリック | 着信を拒否する | |
音量調整 | ||
左のボタン | シングルクリック | 音量を1段階下げる |
右のボタン | シングルクリック | 音量を1段階上げる |
各ボタンを長押しすることで、連続的に音量調整することも可能。 |
※上記操作はデフォルト時のもの。専用アプリで設定変更できます。
ワイヤレスイヤホンによくある音声アナウンスが流れることなく、プッ… プッ… って感じの小さな音で操作が確認できるのも、わずらわしくなくて個人的に好きなポイントです。
接続性
個人的にイチオシなのが、OpenFit 2の接続性の良さ。
微ブログの記事を見てもらうとわかる通り、私はこれまでいくつもの比較的高級と呼ばれるワイヤレスイヤホンを使ってきましたが、Bluetoothの接続性はこのOpenFit 2がダントツで良かったんです。
たとえば、PCと接続したイヤホンを装着したままベランダに出て大きな柱の陰に行くと、必ずといっていいほど接続が不安定になったり、悪いときはそのまま接続が切れてしまうことがあったんですが、OpenFit 2は不安定にすらならなかったのがちょっとびっくり!
これが現状最新のBluetooth 5.4の恩恵なのか、それともイヤホンの設計が優れているのかはわかりませんが、とくに不安定になりがちなPCとの接続をメインで使う人にとっては、かなり嬉しいポイントだと言えるでしょう!

また OpenFit 2は2台の機器とのマルチペアリングに対応しており、私はPCとスマホに登録して使っていますが、それらの機器との接続切り替えも極めてスムーズ。
たとえばPCで音楽を聴きながら作業をしていて、スマホから電話がかかってきた際にもすぐに接続が切り替わり、イヤホンの物理ボタンを押すことで、すぐに通話が開始されます。
ここまでは他のイヤホンでも上手くいく場合がありましたが、さらにそこからPCに接続が戻る際の動作も秀逸で、終話するとまたPC側の音楽再生が始まり、まるで単一のデバイスで動作しているかのようなスムーズな接続切り替えで、マルチペアリングのメリットが最大限に発揮されている印象でした。
その他にも、本体にセンサーが内蔵されていて耳に装着した時にBluetooth接続がされるワイヤレスイヤホンが多い中、ケースから取り外した際にBluetooth接続がされるOpenFit 2の方式では、誤動作が少なくなるというメリットも感じられました。
ひとことで言うと、他のワイヤレスイヤホンに比べて、OpenFit 2は接続がめちゃくちゃ安定している!
さいごに
そんな感じで、Shokz OpenFit 2の実機レビューでした。
おなじオープンイヤー型でも、耳に引っ掛けるタイプのやつはこれまであまり使ったことがなかったんですが、長時間使用で耳の中の湿度が高くなったり、それによってかゆくなったりするデメリットを考えると、やっぱり楽ちん。
ここ最近は性能も優れた機種が出てきたことで、私のようにPC作業やフィットネスなんかの使い方がメインになる場合は、もはやオープン型一択と言っても良さそう。
今回レビューしたOpenFit 2は、充電の持ちと接続性が抜群に良いことで、とくにそういった使い方に向いていた印象でした。
音楽をメインで楽しむオーディオマニアからすると、多少の物足りなさが感じられるかもしれませんが、上記のような普段使いする人にとってのワイヤレスイヤホンとしては、最良の選択肢の一つだと言えるでしょう。

コメント