そんなわけで、今回は「LOFREE Edge」をレビューです。
超薄型でありながらメカニカルキーを搭載し、ロープロファイルでは最薄レベルの筐体と、カーボンファイバー + マグネシウム合金が採用されていることで、約485gという軽量化にも成功したなかなかにニッチな製品。
各所で絶賛されていることも多い LOFREE Edge ですが、本当に満足度の高いキーボードなのでしょうか!?
それではいざ、検証&レビュー。
LOFREE Edgeをチョイスした理由
LOFREEは、まだそこまで知名度がなかった時代にテンキーを使っていたことがありますが、そこからメキメキと頭角を現し今ではけっこうメジャーなキーボードブランドになりましたね。

リリースされているロープロファイルキーボードのバリエーションも豊富で、ここでレビューする「Edge」のほかにも、「LOFREE Flow」や「LOFREE Flow Lite」などの選択肢もありました。
そんな中、ハイエンドモデルの Edge をチョイスした理由は、何と言っても本体重量の軽さ!
LOFREE のラインナップの中で唯一カーボンファイバー & マグネシウム合金が使用されていることで、「485g」というメカニカルキーボードとしては脅威の軽さを実現しているんですな。
あと、見た目がカッコイイというのも選んだ理由のひとつです
LOFREEの各モデルとの違い
各モデルの違いを、わかりやすいように表にもまとめてみました。
項目 | LOFREE Flow | LOFREE Flow Lite | LOFREE Edge |
---|---|---|---|
ボディ素材 | アルミニウム合金(高級感・重量感あり | ABS(コストダウンのため軽量化、やや安価な印象) | カーボンファイバー(トップ)+マグネシウム合金(ボトム) |
カラー展開 | ブラック/ホワイト | ホワイト/グレー/ピンク | ブラックのみ |
キースイッチ | Ghost / Phantom(ロープロファイル独自感触) | 新型スイッチ:Spector(リニア/軽め打鍵)または Hades(静音性重視) | Kailh POM スイッチ2.0(薄型・シャープな打鍵感) |
キー押下圧 | 約50g | 約40g | 約40g |
ホットスワップ | ○ | ○ | ☓ |
キーマップカスタマイズ | ☓ | ○ | ○ |
接続方式 | 有線/Bluetooth | 有線/Bluetooth/2.4GHz | 有線/Bluetooth |
角度調整機能 | ☓ | ○ | ○ |
ボリュームホイール | ☓ | ○ | ☓ |
重量(84キーの場合) | 約594g | 約550g | 約485g |
主な特徴・ポイント | ・ロープロファイルの定番モデル ・打鍵感の個性が魅力 | ・廉価ながらも機能性(角度調整、専用ソフト、2.4GHz接続、ボリューム調整)を実現 ・カラーバリエーションが豊富 | ・極薄・軽量設計で高級感 ・独自のKailh POMスイッチ2.0採用 ・プレミアム素材使用で見た目にもこだわりがある |
実売価格(Amazon調べ) | 29,999円 | 17,600円 | 39,600円 |
他の人の感想などを見てみると、LOFREE Flow はキー押下圧が約50gで実際はそれよりも重く感じられるという意見が多かったのでスルー確定(重いキーは指が疲れるからキライ)
Flow Lite とは最後まで迷ったんですけど、見た目の良さと Edge のみキーキャップが PBT 素材が採用されていたことも決め手のひとつとなりました。(Flow Lite はなんと ABS製)
一方で、Edge のみホットスワップ非対応という欠点もあるのが悩ましいところではありますが。
パッケージ&同梱品
さて、まずはパッケージからご覧いただきましょう。
さすがにハイエンドモデルってだけあって、パッケージの時点でもうカッコイイ! こういうテンションが上がるパッケージって個人的に大好きなんです(笑)

フタを開けると、キーボード本体と付属品(右の細長い箱)がわかれて梱包されていました。

キーボードを取り出すと、底にはカーボンの端材を利用したディスプレイスタンドも入っています。
差し込んでスライドするだけの簡単組み立てで、カッコイイスタンドが完成します。 どんな感じになるのかは、あとでご覧いただきましょう。

同梱品は、説明書と予備のキーキャップと有線接続&充電用のUSB(A to C)コードの3点。
色違いのキーキャップが入っているのがなかなか心憎い演出。 手前にある丸いゴム足みたいなのは使い道がわかりませんでした。

見ての通り PBT 製のキーキャップは、おなじロープロファイルの中でも格段に激薄。


外観
LOFREE のキーボードは各モデルそれぞれに特徴がありますが、個人的には Edge のデザインがダントツでシブいと思いますね、ええ。
ただ、唯一 Edge のみ手前側の ”あご” の部分が出っ張っているので、奥行きのコンパクトさを求めるなら他の2モデルをチョイスすることになるでしょう。
あと気になるのが、この75パーセントサイズの筐体にぎっしり隙間なく詰め込まれた、ちょっと特殊なキー配列。
コンパクトさを追求するとこうするしかないのは間違いないんだけど、人によっては慣れるまでにそれなりの時間を要することになるでしょう。

マグネシウム合金が採用された底面には、薄っすらと見える「LOFREE」のロゴ。 まるでスピーカーのように穴がたくさん空いていることによるメリットがあるのかどうかはわからない。

キーボードの角度は2段階で調整可能
底面に格納された足が搭載されていることで、キーボードの角度を2段階で調整することが可能。
私は足を立てた状態で使ってますけど、まあ気持ち角度が付いてるかなーっていう程度。 まあないよりはあるほうがいい。


特徴的すぎるキーの印字フォント
あと気になるのが、この特徴的すぎるキーの印字フォントですよね。
シャープな印象を崩したくないことでこういったフォントにしたんでしょうけど、けっして視認性はよくないし、デザイン的にも「ちょっとどうなん?」って気がしてしまいますが、まあ個人の好みにもよるんでしょうけど。


上部には電源スイッチとUSB接続端子
キーボードの上部には、電源スイッチとUSBの接続端子が配置されています。
Bluetoothは3台まで登録可能となっていて、有線接続もできますが、2.4GHz の無線接続に対応していないのが惜しい点。

なお、LOFREE Edge は初期ロットから技適に対応しているので、日本国内でも安心して使ってもらって大丈夫です。

最薄部で5.4mmの超薄型設計
LOFREE Edge の最大の特徴は、なんといってもこの超薄型設計でしょう。
見ての通りの激薄ボディで、背面側で約15mm、手前側の最薄部だとなんと5.4mmという薄さ。
ノートPC と一緒に持ち歩いてもかさばらないので、頻繁にキーボードを持ち歩く派の人にとっては完全に嬉しいやつ!


端材を利用したディスプレイスタンド
上の画像ですでにネタバレしてますが、これがディスプレイスタンドにキーボードを乗せてみたの図。
正直、キーボード好きの私でも(飾ってどうすんねん…)みたいな気持ちはありましたが、実際にスタンドに乗せてみるとこれが意外にいい感じ。 サブキーボードとして使う場合は、デスクにこうやって置いとくのも悪くはないかもしれませんな!

打鍵感は良好な一方で気になる点も・・・
LOFREE キーボードのキースイッチというと、Ghost や Phantom など LOFREE 独自のものを想像するかもしれませんが、Edge では「Kailh POM スイッチ2.0」というこれまた独自のキースイッチが採用されています。
いわゆる Kailh Choc V2 タイプで、Cherry MXスイッチと互換性がありますが、いかんせんこれだけ薄型ということで、もしキーキャップを交換する際にはロープロファイルに対応したものでないと干渉してしまうこと間違いなし。 気をつけましょう。
ちなみに、Kailh POM スイッチ2.0 の「POM」とは、ポリオキシメチレン素材のことで、滑らかで上質な打鍵感と耐久性で評価の高い比較的新しい素材のことです。

また、ステムの周りをぐるっと取り囲むようにガイドがあることで打鍵時のキーのブレも少なく、本体がガスケットマウントなこともあいまって打鍵権はロープロファイルとは思えないほど上質です。(ガスケットマウントのキーボードはどれも打鍵感が抜群に良い!)
ノートPCなどに多いシザータイプのキースイッチ(パチパチ、カチャカチャ)とは比べ物にならず、カタカタ… サラッ… って感じでクリスプかつ滑らかな感触。 まあ、値段を考えると当然っちゃ当然かもしれませんが…(笑)
一方で、上記3モデルで唯一ホットスワップに対応していないということは、注意点ですね。 まあ、打鍵感という意味ではなかなか交換したいとは思わないでしょうけど、万が一キースイッチが故障しても交換できません。

ロープロファイルとは思えないほど気持ちの良い打鍵感を実現している一方で、気になったのは「CAPSキー」。
私はこれを CTRL キーに置き換えて使っているのですが、”このキーだけ” 端っこを押した時に軽い引っ掛かりみたいなのが感じられたんですよね。 ちゃんと真ん中を押せば問題ないんだけど、端っこだとちょっと押しにくい。
その他、エンターとかスペースキーとかは問題なかったので、これは個体差だったのかもしれませんな。

あともう一点気になったのが、画像の位置にある WIN キーと、ALT キーの配置が印字と逆だったこと。 いわゆるひとつのテレコってやつですな。
まあ、LOFREE Edge には専用のキーマップソフトがあるから、それで戻してやればいいだけなんだけど、「なんで逆やねん…」とはなりますよね。

あと評判が悪いのが、このバックライトですよね。
実際に光らせてみたんですが、キーキャップは一切光を透過しないので隙間が光っているのみになります。 まあ別にええんやけど、せっかく光るんだからせめて印字のところだけでも透けてくれてたら… って思ってしまうのは私だけじゃないはず(笑)
あと RGB でもなく白色にしか光らないというのも惜しい点。 まあこれだけの薄型設計なわけですから、いろいろと制約があったのかもしれませんが、せっかくならカラフルに光ってほしかったり。

あと、この白色 LED をオンにした状態で使うと10時間程度で充電切れになってしまいます。 実際に使ってみても10時間程度だった印象でした。
バックライトをオフにすると130時間程度は使えるようですが、持ち歩きメインで考えるとちょっと心もとない気がしないでもない。
専用ソフトでキーマップ変更可能
前述の通り、LOFREE Edge には専用ソフトがあり、これで自由にキーマップを変更できます。
「余計なソフトを増やしたくない!」という人にとっては VIA 対応のほうが良かったでしょうし、この辺は好みのわかれるところでしょう。

専用ソフトで変更したキーマップは、オンボードの不揮発性メモリに書き込まれる仕様となっていることで、一度設定をしてしまえば、その後は出先の別デバイスでも変更したキーマップが反映された状態で利用可能。
そんなメリットがある一方で、レイヤー機能がないのがちょっと物足りない点。 つまり、今目に見えているキー + FN キーとの組み合わせのみでやっていく必要があるということ。 ちなみに記事執筆時点では、FN キーと組み合わせる部分を変更することはできず、変更できるのはあくまで表層キーのみ。
マクロ機能も搭載されているんですが、上記理由から「設定したはいいけどどのキーに割り当てる?」って状態になります。
現実的に考えると、右上に配置されているインサートかプリントスクリーンキーあたり? うーん…
さいごに
そんな感じで、LOFREE Edge のピリッと辛口実機レビューでした。
この超薄型設計ならでは、とも言えるデメリットをつらつらと挙げていきましたが、ロープロファイルキーボードとしては打鍵感はピカイチだというのも事実だし、見た目もスタイリッシュなことには違いはありません。
LOFREE のロープロファイルシリーズでは最薄最軽量モデルということで、持ち運びもしやすいので、上記デメリットと価格が許容できる人なら検討してみる価値があると言えるでしょう。



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