左右分離型 + お椀型という独特のフォルムで、キーボード界の中でも異彩を放つ「Kinesis Advantage2(キネシス アドバンテージ2)」
「気にはなっていたけど実際どうなの?」なんて思ってる人も少なくないでしょう。
そこで、アドバンテージ歴1年以上のワタクシよっしーが、この変態(しか使わないような)キーボードをレビューしてしまおうというわけです。
Kinesis advantage2ってどんなキーボード?
では本題に入る前にまず、キネシス アドバンテージ2について簡単に知っておきましょう。
Kinesis Advantage2 は、米国キネシス社が人間工学を追求することで生まれた究極のエルゴノミクスキーボードなのである。
おわん型に配列されたキー形状が作業中の負担を軽減します。
最近では使われすぎてすっかり陳腐化してしまった「人間工学」というワードですが、このキーボードに限ってはまじでエルゴノミクス!
最大の特徴であるおわん型のキー配列が、長時間のタイピングによる疲れを軽減しまくってくれるんです。
その他にも疲れを軽減してくれる仕掛けがあるんですが、それはのちほど写真を見てもらいながら解説していくとしましょう。
アメリカ生まれのキーボードなので英語配列のみかと思いきや、国内唯一の公式販売代理店であるエジクン技研さんとの共同開発による日本語配列バージョンもあるのがありがたいポイント。
私が愛用しているのは英語配列バージョンですが・・・
ちなみに英語配列と日本語配列以外にも「Dvorakモデル」というものも存在します。なんてマニアックなんだ…

Kinesis Advantage2 のスペック
メーカー | Kinesis |
---|---|
サイズ | 幅:約420mm × 高さ:約74mm(最大) × 奥行:約204mm ケーブル長さ:約2m |
重量 | 約1kg |
色 | 黒 |
接続方法 | USB(有線のみ) |
セット内容 | キーボード本体 日本語クイックスタートガイド、英語クイックスタートガイド パームパッド左右一対 予備キーキャップ キーキャップ引抜工具 弊社発行の保証書 |
対応OS | Windows 7, Windows 8, Windows 11 Mac OS X 10.4 以降 Linux Android Chrome |
配列 | 英語配列(101キーボード) 日本語配列(106キーボード) |
キー軸 | 茶軸(Cherry MX茶軸) 赤軸(Cherry MXピンク軸:静音タイプ) |
Kinesis Advantage2 実機画像レビュー
ではここからは、私が実際に愛用しているアドバンテージ2くんの実機画像を使ってレビューしていきましょう。
まずはその全体像からご覧いただきましょう。
ご覧ください!このとてもキーボードとは思えない存在感を・・!
それもそのはず。
なんとこのキーボード、幅が42cm程度もありますからね(左画像) そして奥行きは20cm(右画像)ちょいという巨大っぷり。
HHKBが日本車だとしたら、アドバンテージ2は完全にアメ車っすな!
そして真横から見た時のこの厚みですよ。
しかし斜めに角度があることで、右側のパームレストに手首を乗せたときにちょうどいい感じになるんです。
そしてアドバンテージ2の一番の特徴であるこのおわん側のキー配列。 そりゃもう印象的でしょう?
底面にはゴム足が付いているのみで高さ調節することはできません。
そしてこの独特の形状に、長時間のタイピングでも疲れにくい秘密が隠されているんです。
自分で撮るのは難しかったのでエジクン技研さんの公式HPより、わかりやすい画像をお借りして見ていただきましょう。
自然な手の形にあわせた形状になっているので、これが意外に打ちやすいったらありゃしない。
上の方に位置する数字キーなども打ちやすい感じに配置されているんです。
ただし、さらに上にあるファンクションキーなどは、指を伸ばして”突くように”操作する必要があるので、慣れるまでは違和感があるかもしれません。
【リアフォからkinesis advantage2移行】
・8日目
慣れない、タイピングしにくいを超えて、とうとう打ちやすいと感じるゾーンに突入しはじめて嬉しい😇
数字とファンクションキーは”突く”ように、手前側にあるキーは”手を丸める”ようにして打つとよりタイピングがしやすい。— よっしー@微ブログ (@viblog_jp) April 7, 2022
そして次に見てもらいたいのが、この親指の位置にあるキー群。
エンター・スペース・バックスペース・デリート、そして Ctrl ふゃ Alt などの修飾キーがまとめてここに配置されているんです。
【リアフォからkinesis advantage2移行】
・6日目
順調に慣れてきてかなりタイピングがやりやすくなってきた。
・・・親指のキー以外は。
これが中々しっくりと来ずに、SpaceとDelete、EnterとBackSpaceを結構な確率で押し間違える。— よっしー@微ブログ (@viblog_jp) April 5, 2022
特に右手の小指に負担がかかりまくりだったエンターキーがこの場所にあるのが、個人的には大きなメリットだと感じています。
さらにその親指で操作するキーが、絶妙な斜めの角度で配置されているのもポイント。
このように配置されていることで、ホームポジションから手を動かすことなく各キーを操作することができるんですね。
ただ、3列の内、一番内側の列のキーとか、特に角にある Alt とウィンドウズマークのキーは手をずらさないと打てないのが弱点。
専用アプリでキーマッピングも可能
Kinesis Advantage2 には、「Advantage2 SmartSetアプリ」という専用のキーマッピングソフトがあります。
これをダンロード&インストールすることで、キー配置を自由にカスタマイズすることができて、さらに複数のプリセットを切り替えて使うことも可能になります。
Advantage2 SmartSetアプリのダウンロードページ
全てのキーの配置を変更できるだけでなく、マウスのクリックやマクロなどを設定することも可能。
完全に英語のアプリなのでそこがちょっとわかりにくい感じではありますが、見ての通り直感的な UI になってるから、まあ慣れればなんとか… って感じ。
私は、親指のスペースとバックスペースと入れ替えてるほか、いらない子代表の CapsLock を日本語/英語切り替え機能に割り当てて使ってます。
ここがスゴイよアドバンテージ2
ざっくりと外観を見て頂いたところで、アドバンテージ2の魅力について語っていきましょう。
長時間のタイピングでもまじで疲れにくい
アドバンテージ2のメリットしてよく語られることのある、”疲れにくい”というメリットですがこれがマジで疲れにくいんです。
これは上でお伝えしたおわん型のキー配列の他にも、左右分離型のメリットが大きいと感じております。
アドバンテージ2に手を置くと、ちょうど肩幅くらいに手が離れるので猫背になることなく自然なポジションでタイピングすることができるんですね。
実際、アドバンテージ2に移行する前までは、手の甲に若干腱鞘炎っぽい痛みを抱えていた私なんですが、アドバンテージ2を使い始めてからは見事にその痛みから開放されることとなりました。
【リアフォからkinesis advantage2移行】
・15日目
10日目からそんなに変化がなかったから4日空けて15日目。
はっきり言ってめちゃくちゃ打ちやすい。
ただ親指キーはミスが多いのでまだまだまだ慣れが必要っぽい。
手の甲の痛みがなくなったのを今まさに実感中。— よっしー@微ブログ (@viblog_jp) April 14, 2022
普通のキーボードでタイピングしてると、どうしても肩をすぼめる姿勢になっちゃいますからね。
ホームポジションから手を動かす機会が減る
ホームポジションから手を動かすことがなく、ほとんどのキーを操作することができるというのもアドバンテージ2の特徴のひとつ。
普通なら少し手を動かす必要がある、数字キーなんかもパームレストに手をおいたまま打てるので、明らかに手を動かす機会が減ります。
マウスなどのデバイスとの距離が近くなる
これはアドバンテージ2に限った話ではないですが、”左右分離型”という形状上、マウスなどの補助デバイスとの距離が近くなるという特徴もあります。
私は、左に Tourbox Elite、右にスリムブレードというスタイルで作業をしていますが、写真を見てもらうとわかるようにキーのすぐとなりの位置にまで近づけることができるんですよね。
つまり、キーボードマウス間の手の移動距離が大幅に短縮できることになり、これが大きなメリットだと感じております。


ここがイマイチだよアドバンテージ2
完全に慣れるまでけっこう時間がかかる
これからアドバンテージ2にチャレンジしようとしている方にとって鬼門となるのが、やはり”タイピングに慣れるまでにかかる時間”でしょう。
メーカーの公式アナウンスによると、
通常3〜5日かけて徐々に慣れていき、完全に適応するには1〜2週間かかると言われております。
とありますが、私もまさにそのような感じで、慣れるまで10日ほどかかりました。
【リアフォからkinesis advantage2移行】
・9日目
かなり馴染んできたのでE-タイピングやってみた。
今回が初めてだけど、自分の中ではすでにこれが限界のような気がする…w pic.twitter.com/WdfhAkOoj1— よっしー@微ブログ (@viblog_jp) April 8, 2022
その時はリアフォからの移行だったんですが、初日と2日目あたりはブログ更新もままならない状況で、そう言えばタイピング初心者のころはこんなだったな~ とフラッシュバックしてしまったほど。
しかし、一旦なれてしまえばこっちのものです。
最初のころがウソだったかのようにサクサクとタイピングできるようになり、疲れ知らずのアドバンテージ2のメリットを享受し放題となります。
実際、今もアドバンテージ2でこの記事を書いていますし(笑)
大きな筐体でデスクの場所をとる
左右分離型という特性上仕方がないことですが、いかんせんアメ車ばりのこの筐体のデカさのアドバンテージ2くんなので、どうしてもPCデスク上の場所をとってしまいます。
なのでアドバンテージ2を検討されている人は、事前にデスク上に置く予定の場所のサイズを測ってから購入するようにしましょう。
茶軸と赤軸の2種類しかない
メジャーな商品だったらバリエーションも増えてくるんでしょうけど、キーボードマニア以外には見向きもされなさそうな商品(知らんけどね)なので、現状、茶軸と赤軸の2種類しかないというのも惜しいポイント。
仕方なしに”まだクリック感のある”茶軸を使用しているんですが、できればラインナップに青軸があると嬉しかった!
あんまりいなさそうだけど、もし仕事場で使いたい!という人がいたら、静音タイプの赤軸一択となります。
FとJに出っ張りがない
一般的なキーボードって、人差し指をおく位置に小さな出っ張りというか引っかかりが付いているじゃないですか。
アドバンテージ2にはこの目印となる出っ張りがついていなかったのも残念だったポイント。
まあ、手の位置はほぼ固定されているのであまり迷うことはないんですが、あったほうがわかりやすかったというのもまた事実。
一応ホームポジションのキーが色違いの水色になってるけど、手元を見ることはほとんどないからあんまり意味がない。
Kinesis Advantage2 の評価スコア
【機能性】
若干押しにくい位置のキーがあるものの、異形な見た目からは想像もつかないほど素直な使い心地。
ちゃんと考えて設計されているんだなあ、と感じる。
【コスパ】
けっして安くはないアドバンテージ2ですが、最近の円安傾向でさらにちょっと上がった?
合えば数年間は余裕で使える一品なので一概には言えないけど、リセールバリューは良い。
【デザイン】
無骨でぼてっとしたボディは好き嫌いが分かれそう。
個人的にはコックピットで操作しているみたいでカッコイイと思います。
ただ、けっこうイイお値段の商品なので、もう少し高級感があるともっと嬉しいですが。
【楽しさ】
慣れるまでは苦行に感じてしまう人もいそう。
その分、サクサクと打てるようになったときの嬉しさもひとしお。
一旦モノにしてしまえば、タイピングはかなり楽しい部類のキーボードです。
【総合】
最初は大変かもしれませんが、自転車とおなじで一旦慣れるとその後は期間が空いてもすぐに感覚を取り戻せるようになります。
今のキーボードに満足している人にムリにおすすめするほどではないですが、腱鞘炎の痛みなどで悩んでいる人にはぜひおすすめしたい逸品。
慣れると数字以上の効果を発揮し、手放せなくなるキーボードです。
機能性 | 4.5 |
コスパ | 3 |
デザイン | 4 |
楽しさ | 4.5 |
総合 | 4.5 |
慣れるまではちょっと大変。でも慣れると最強!それがKinesis Advantage2
HHKBも愛用している私ですが、実はこのキーボードもおなじくらいの使いやすさを感じていて、その時の気分で交換しながら今でも使い続けています。
慣れるまではけっこう大変だったんですけどね。慣れてしまえば最強に使いやすくなる。
人を選ぶけど刺さる人にはぶっ刺さる。アドバンテージ2はそんなキーボードです。
ちなみに今は、こんな感じで真ん中のスペースに StreamDeck を置いて作業するのがお気に入りスタイル。
もし購入したら、ぜひこうやって使ってみてください。
まじではかどるから。
ちなみに国内唯一の正規代理店である、エジクン技研さんのエルゴノミクスショップで購入するのが一番安いです。

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