本題に入る前に、まずお伝えしておかないといけないのが、ここでご紹介している「Nulea M512」トラックボールは現時点では日本国内では使うことができないということ。
なぜなら、日本の技適申請を通過していないから。
本記事は、総務省で技適未取得機器に関する届出を提出した上で作成しており、以下の説明文の記載も必須となっております。
この無線設備は、電波法に定める技術基準への適合が確認されておらず、法に定める特別な条件の下でのみ使用が認められています。この条件に違反して無線設備を使用することは、法に定める罰則その他の措置の対象となります。

なら自分も届出を提出したら使えるようになる・・?
と思ったかもしれませんが、これはあくまで研究や実験的な利用などに限られており、かつ使用できるのは最長でも180日間とされていることから、とても実用レベルのものではないことがわかります。
ちなみに、Nulea M512には有線接続機能もついていないので、逆立ちしても日本国内では使用不可。
なら、そんなトラックボールを記事で紹介する意味があるのか?ってなりますが、ズバリ私が使ってみたかったからだけなんですな。
そんなわけで、国内では使用できないトラックボールレビュー、もの好きな方だけご覧いただければと思います(笑)
パッケージ&同梱物
前述の通り、Nulea M512は日本国内では販売されておらず、私は今回アメリカのAmazon.comで購入し、個人輸入しました。
これが自宅に届いた際には、このパッケージがそのまま段ボールに入っていただけで、海外発送なのに緩衝材など一切なし! 長らく日本で商品を購入しいると不安になってしまいそうになりますが、これが海外スタンダード(なのか?)
まあ、どちらにしろ正常に動いてさえくれれば無問題!




中の梱包もビビるくらい簡素なものですよ?
一個一個手作業で箱詰めしたらこうなるだろうなあって感じで、実際そうやって箱詰めされているのでしょう。 別になんの文句もないけど、ガジェットがこういう状態で入っているのって久しぶりに見た気がする(笑)


同梱物は、説明書と充電用のUSBケーブルのみ。
念のためもう一度お伝えしておきますが、Nulea M512には有線接続モードはなく、BluetoothとUSBレシーバーを使う2.4GHz接続のみです。


外観
まずはざっくり外観を見ていきましょう。
え?なんかどっかで見たことある気がするって? いえいえ、これはケンジントンのスリムブレードではありません。Nuleaブランドが販売するM512というトラックボールマウスです。


スリムブレードとは違って、サラッとマットな質感のボディ。 つるっと高級感のある見た目を取るか、手触りの良さを取るかって感じですけど、正直、私は手触りのよいこっちの素材のほうが好き。


横から見ても、まんまスリムブレード。 詳しい事情は知りませんよ? でも、ここまでそっくりなものを作っちゃっても問題ないもんなの?


背面には、充電用のUSB-Cの差し込み口。


底面は、電源のスライドスイッチと、USBレシーバーを収納するスペース付き。


CE(欧州)や、UKCA(イギリス)での安全基準マークがあることから、最低限、製品自体の安全性は確保されていそう。


左サイドにある3つのボタンの機能
サイド部には小窓がついており、ここのインジケーターが光ることでPCとの接続状態などがわかるようになっています。 Bluetooth×2、2.4GHz無線×1 の計3系統の接続ができるようです。
3つあるボタンは、左から、モードスイッチキー、レフト/ライトハンドモードスイッチキー、DPI変更キー という順番。 DPI(マウスポインター速度)は、400/800/1200/1600 の4段階で変更可能。
あとおもしろいのが、左右切り替えキーの存在ですよね! あまり頻繁に使うことがなさそうな機能がこんな使いやすい位置にあるっていうね。 ちなみこれ、私が受け取ったときにはなぜか左手モードになっていて、「左右クリックが逆なのはなんでや!?」って感じで焦りました。 思わず「アメリカでは左右クリックが逆ですか?」ってAIに訊いたら「日本と一緒です」との返答。そりゃそうだ(笑)




本体左右にスクロールホイール搭載
スリムブレードとの一番の違いとしてあげられるのが、本体左右についているスクロールホイールの存在でしょう!
スリムブレードではボール自体を水平回転させてスクロールさせますが、Nulea 512ではこのホイールで画面をスクロールさせます。


金属製のホイールは、ロジクールMX MASTER3s を彷彿とさせる質感。 これもオマージュってことでいいですか?


ただ、これがけっこう使い勝手が良くてですね… 右手で操作している際には、こんな感じで親指と小指で操作することになります。
右手モードだと、左(親指側)が縦スクロールで、右(小指側)が横スクロールという操作になります。 スリムブレードでは横スクロール操作ができないので、多用する人にとってはこれが嬉しいポイントとなるでしょう。まあ何度も言っているように日本国内では使えませんが…


ボールサイズは55mm
ボールサイズはスリムブレードとまったくおなじく「55mm」。 おなじ赤玉でもこっちは若干色が明るめのような感じですな。
スリムブレードがプラスチックにメタリック塗装だったのに対して、M512は周囲のリングは金属製。 長く使い続けても表面がはげないのはメリットだけど、昔の鍋で使われていた金属のようなチープさはありますな。


まあ、スリムブレードとはだいぶ価格差があるので、比べるのもあれではありますが。
Amazon.comでは、スリムブレードが90~112ドル程度で、M512は50~70ドル程度。
支持球はセラミック製
Nulea 512のボールは裏から押し出して取り外すタイプなんですが、これを外す時がめちゃくちゃ堅かった! かなり力を入れてもボールが出てこず、金属製のリングに擦れてキズがいってしまうんじゃないか心配になるレベルだったんですが、なんとか取り出すことができました。
ちなみに、ペリックス製のボールと交換してみようとも思ったのですが、ボールにキズがいきそうだったので断念しました。 無理やり押し込んでたら入っていたのかも微妙なところ。


白い支持球はセラミック製で、一般的なものよりも少しサイズが大きめのような気がします。 人工ルビーよりも安価なセラミックですが、操球感は潤滑剤を塗る必要がない程度にはスムーズで、初動の引っかかりなども感じられず。 最近のトラックボールはスムーズになりましたね。


ただ、やはりというか、光学センサーが一つだけということもあって、ポインター精度はデュアルセンサーのスリムブレードには及びません。
なにもこれはM512だけの話ではなくて、スリムブレード以外のトラックボール全体に言えること。 どっかのメーカーさんが、トリプルセンサーくらいのトラックボール出してくれないもんですかね?


スリムブレードと比較してみる
さて、それではここからは私が愛用しているSlimBlade Proくんと比較してみましょう。
こうやって並べてみると瓜二つだけど、その質感にはやはり大きな隔たりがあることがわかります。 すでにけっこう使い込んでヘタってはいるものの、このスリムブレードくんの圧倒的高級感よ! ただ、ボール周りのリングは塗装がはがれるから金属製にして欲しいけど。


前面側からも撮ってみた。
似ているようで大きな違いがあることがおわかりいただけるだろうか?




賢明な読者さんはすでにお気づきでしょう。 そうです。 M512とスリムブレードではボールの露出面積が大きく違っているんですな!
おなじ55mmの大玉トラックボールでも、スリムブレードのほうがボールが大きく露出していることが、快適な操作性に大きく寄与しているんです。 実際、スリムブレードのボールはただハマっているだけなので上から引っ張り上げても取り出し可能なのに対して、M512は底から押し出さないとボールが取れませんからね。




ほんの小さな差のようで、やっぱりスリムブレードは良く考えて設計されているんだなあ~ と改めて実感させられる結果となりました。
あと、ボールを回転させてスクロールさせるのも唯一無二ですよね!


さいごに
そんなわけで、「Nulea M512」のレビューと、SlimBlade Proとの比較記事でした。
日本では使えないM512のレビューを最後まで読んでくれたあなたは、相当なトラックボールマニア(笑)
あまり意味のないレビューのように見えて、こうやってトラックボールをレビューしているのは、「スリムブレードを超えるトラックボールを見つけたい!」という気持ちもあるからなんですな。
しかし、いまだそのようなトラックボールを見つけるにはいたらず・・!
とはいえ、価格も大きく違う商品なので、多少機能が劣っていたとしても当然のこと。 サラサラで気持ちのよい質感に、 独自の左右スクロールホイールを搭載していたりと、これでも健闘したほうだと言えるでしょう。
ちなみに私がAmazon.comで購入したときはクーポン有りで49.99ドルで購入することができました。でも、そこから送料が13.45ドルかかって合計すると53.44ドル(購入時のレートで8,499円)と、結局そこそこのお値段に。
Amazonだから送料無料だと勘違いしていたけど、そうかAmazon.comは別もんだったか。



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