あまり日の目を見ていないイメージの急速充電器も、しっかりと進化してます。
100W USB-Cデュアルポート急速充電器「Innergie C10 Duo」をレビュー。
自宅やオフィスでの高ワット数での充電を必要とする、プロフェッショナルなユーザーのニーズに応える充電器。 同社が行った性能テストでは、MacBook Pro M2など96Wクラスのハイレベルデバイスを、充電切れの状態からわずか30分で50%までチャージしてしまったすごいやつ。
数字上のスペックだけでなく、実際に手持ちのデバイスで充電速度をテストしてみたので、高性能な急速充電器をお探しの人はぜひ参考にしてもらえればと思います。
Innergie C10 Duoとは

スマホやタブレットにノートPC、そしてゲーミングデバイスなどなど、いまや私たちの生活に欠かせなくなった充電式デバイスたち。
そんな複数デバイスを同時に、かつスピーディーに充電したいときに便利なのが、PD対応 & GaN技術採用の高性能充電器「Innergie C10 Duo」。

なに言ってるかよくわかりませんけど?
って感じの詳しくない人でもわかりやすいよう、各項目についても解説していきます!
GaN(窒化ガリウム)のなにがいいのか?
「GaN」って言葉、普通の人はなかなか聞き慣れませんよね? ええ、もちろん私もこういうブログを運営していなければ「ほーん…」程度で、詳細を知らないまま一生を終えていたでしょう。
実はこれ、次世代のパワー半導体素材のことなんです。
従来のシリコン素材よりも効率が高く、発熱も抑えられるため、デバイス自体を小型化しつつ高出力化できるのが最大の特徴。
Innergie C10 Duoは、このGaN技術(第3世代)を搭載することで、コンパクトながらも強力な充電性能を発揮するんです。
PD(Power Delivery)ってなに?
続いて、PDについてもざっくりと知ってもらいましょう。
PDとは(パワーデリバリー)の略。 カタカナにするとなんとなく想像がつくと思いますが、充電するデバイスにあわせて電圧・電流を自動調整しつつ、高速充電ができる充電規格のことです。
iPhoneやAndroidスマホはもちろん、iPadやノートPCなど幅広い機器で利用されており、昨今では多くのデバイスがPD充電に対応していることで、欠かせない規格になりつつあります。
Innergie C10 Duoのスペック
メーカー | デルタ電子株式会社 |
---|---|
ブランド | Innergie(イナジー) |
AC入力 | 100-240V AC / 1.7A 50-60 Hz |
DC出力 | 最大100W |
サイズ | 56 × 67 × 30.4 mm |
重量 | 230g |
急速充電プロトコル | PD 3.0(PPS)、QC 4.0、SFC 45W、Appleモード、DCP |
互換性 | 様々なUSB-Cデバイス(MacBook、iPad、Chromebookなど)に対応。 |


Innergie C10 Duoの外観
では、私の手元にある実物で外観をチェックしていただくとしましょう。
これいるか?という気はしつつ、せっかく撮ったのでパッケージ画像もご覧いただきます。




約3センチの厚みに、6.6 × 5.6センチ程度の本体は、このクラスの充電器としてはコンパクトな部類。
ただ、重量は230gで手で持つとそれなりにあるので、たとえば手持ちの小さめのバッグに入れて持ち歩くとかだと、ちょっと重く感じてしまうかもしれません。
充電器の表面部分の75%にPCR(リサイクルプラスチック)素材が使用されていることで、地球環境にも優しいとのこと。


写真だとちょっとわかりにくいんですが、表面には充電器のブランド名である「Innergie」のロゴ。
日本ではそこまで知名度がないような気がしますが、50年以上の電源管理の実績を持つ老舗ブランドです。


コンセントプラグは収納式で、持ち運びを想定した仕様。 「カシャッ」と出てくる感触が気持ちよくてずっとやっていたくなりますが、あんまりやると良くなさそうなのでやめておきます。




逆サイドの正面側には、USB-Cプラグを2つ搭載。
これら2ポートで最大100Wの超急速充電をサポートするというわけ。


Innergie C10 Duoのおもな特徴
1.最大100W出力の2ポート同時充電
Innergie C10 Duoの最大の特徴はなんといっても、USB-Cポートが2口搭載されていて、合計で100Wの高出力が可能なこと。
たとえばスマホとタブレット、ノートPCとスマホ、友達や家族のデバイスと自分のデバイスなど、同時に2台を素早く充電できます。 一般的な低出力充電器ではカバーしきれないノートPCにも対応できるのは嬉しいポイント。
急速充電は3つのモードを備えており、接続されたデバイスを自動で判定して最適なモードで充電してくれます(切り替えスイッチなどはなし)。 1口のみ使用の場合は「最大100W」、2口使用で「30W + 65W」「45W + 45W」という具合に最適化されます。


2.GaN採用でコンパクト
GaN(窒化ガリウム)採用のメリットとして、高出力ながらサイズが小さめになっているのがポイント。
プラグが折りたたみ式になっていることもあいまって、カバンやポーチに入れてもかさばりにくく、旅行や出張先でも活躍してくれるでしょう。 ビジネスシーンでも抵抗なく使えるシンプルなデザインもグッド。
3.Deltaグループの安全設計
ハイパワー! 急速充電!と聞くと、気になるのが安全性。
とくにこの手の強力そうな充電器は、どこのメーカーかわからんようなところは使いたくない… というか怖いと思ってしまいます。
Innergieは、電源ソリューションで世界的に有名な台湾のDeltaグループのブランド。 過電流保護や過電圧保護など、安全面でもしっかり配慮されています。
Innergie C10 Duoの本体には、PSEマーク(中央にあるひし形のやつ)も記載されているので、その点も安心して使用可能です。


4.幅広いデバイスに対応
- iPhoneやiPad、Androidスマホ・タブレット
- WindowsノートPCやMacBook、各種USB-C搭載ノートPC
- USB-C搭載のゲーム機
- ワイヤレスイヤホンやBluetoothスピーカーなどの小型ガジェット
など、USB-CによるPD充電が可能なデバイスなら基本的に対応可能。 とくにiPhone 15以降のモデルはUSB-Cポートが’採用されているので、そのままケーブルを挿すだけでスムーズに高速充電できて便利。
実際に使ってみた
スペックばかりお伝えしてもアレなんで、実際にInnergie C10 Duoを使ってみました。
試してみたのは、もっとも充電の減りが早く、個人的に使用頻度が高いVRヘッドセット「メタクエスト3」。
完全に充電がなくなった状態から、緑のランプが点く満充電までの速度を測ってみた結果、1口のみで充電した際にかかった時間は「1時間38分程度」でした。
次に、タブレットとセットで充電してみると「1時間25分」と、まさかの短縮される結果に。 まあ、メタクエスト3自体、PD充電には対応しているものの100Wの充電には対応していないので、2つに分配されたことでより最適化されたということなのかもしれません。
Metaの公式サイトによると、付属のアダプターを使って充電した場合、約2時間半でフル充電とされているので、1時間ほど短縮されたということになります。
もちろん、メタクエスト3を使いながらの充電でも、余裕で充電速度のほうが早いので一生使ってられます。
過去には、おなじくPD対応の「Anker PowerPort Atom III Slim」という充電器でも、メタクエスト3を使って速度テストをしています。


3回ほど試してみて、満充電までにかかる時間は2時間程度だったので、それと比べても30分ほど速いという結果。 うーん、すごい!
さいごに
Innergie C10 Duoは、GaN技術の採用によるコンパクトさ、合計最大100Wの強力な充電性能を両立したデュアルUSB-C充電器です。
日本の安全基準も満たしており、スペック上だけでなく実際高性能だったというのは、上のテスト結果で見てもらった通り。 私の使用環境だと、高速充電時も本体の発熱は感じられませんでした。
旅行や出張などの出先でも、これ一台あればもうOKな感じですな。 「デバイスが増えて充電着がごちゃごちゃしてきた…」って方は、ぜひお試しあれ。


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