前回、エレコムのDEFTを入手したこにより、ついにエレコムの人差し指トラックボール3兄弟ともいえる「HUGE(型番:M-HT1DRBK)」「DEFT(型番:M-DT1DRBK)」「DEFT PRO(型番:M-DPT1MRBK)」が手元に揃いました。
そうなると気になるのが、「結局一番使いやすいやつはどいつなんだい?」ということ。
有能なトラックボールを早く知りたくて、知りたくて~ オラ、わくわくすっぞ!!
ってことで、エレコムの”人差し指”トラックボールの頂点を極める比較レビューが、ここに開幕・・!
価格

なんだかんだいっても、まず気になるのは価格でしょう。
記事執筆時点での、Amazonで販売されている参考価格を比べてみましょう。
これらのトラックボールは、Amazon上では日々価格調整が行われているのであくまで目安程度ではありますが、現状だと、だいたいこれくらいの価格で販売されていることが多いのかなと。
価格だけで見ると、圧倒的に安いのがDEFTの無印モデル。
人差し指トラックボールで三千円台は、最近台頭してきた中華勢トラボと比べても破格の安さだと言えるでしょう。
一方、一番高いのがDEFT PROで、こちらはセールなどでも値引きされていることが少ない印象です。 ただ、高い = 高性能とも言い切れないのが、人差し指トラックボール界隈。 その理由はおいおい。
本体/ボールサイズ
次に本体サイズ。
左から、DEFT < DEFT PRO < HUGE の順番でサイズが大きくなります。
中でも右のHUGEは、「大きい」というネーミングの意味通り、すべてのトラックボールの中でも最大レベル。 とはいえ、操作系の基本構造にそこまで違いはないので、「リストレスト一体型」という表現が適しているでしょう。

本体サイズは、そのまんま使用者の手のサイズにも対応していると言えるので、私みたく手が大きい人には大きなモデルのほうが使いやすく感じることは間違いありません。
実際、本体に手を乗せてみると、DEFTとDEFT PROだとこのように私の手(中指の先から手首のシワまでが20Cm程度)で本体の全部が隠れてしまう状態。


HUGEだとこのような感じになります。


本体の長辺と、ボールサイズの比較表がこちら。
長辺 | ボール径 | |
---|---|---|
HUGE | 18.2cm | 52mm |
DEFT | 12.4cm | 34mm |
DEFT PRO | 13.3cm | 44mm |
人差し指トラックボールに限らず、ボールサイズは基本的に大きいほうが使いやすいというのが、トラックボーラーの共通認識。
実際、私が使ってみた中でも、ボールサイズが最大のHUGEが一番使いやすかった印象でした。 人差し指トラックボールの場合、人差し指と中指でボール操作をしながら、薬指でブレーキをかけるような使い方になるかと思いますが、3本指を使うとなると、やはりこれくらいのボールサイズがあった方がいいんですよね。
一方で、ボールサイズが一番小さいDEFTのみが、ペリックスの交換用ボールにサイズが対応しているというメリットもあります。
ボタン数
ボタン数は、本体サイズの大小にかかわらず、全モデルが7ボタン仕様。(ホイールボタン除く)
親指の下のボタンが左クリックで、ホイールの上に進む/戻るボタンという配置も共通で、その他のボタン配置は微妙に異なってくるので、この辺が大きく好みがわかれそうなポイント。(画像はクリックで拡大できるので大きくして確認してみてね)



スクロールホイール
ホイールの押し込みとチルト操作にも、全モデル対応しているのも嬉しいポイント。
ただ、DEFTが一番サイズが小さいだけあってホイールも薄め。 操作しにくいとまではいかないけど、やや心もとない感じがあります。



あと、ホイールのチルト操作はDEFTが完全にやりにくいです。
なぜなら、本体が小さすぎることで、上にチルトしようとすると本体ごと持ち上がっちゃうからなんですな。 中サイズのDEFT PROでもこの傾向が若干みられて、この点では手首ごと乗せて使うHUGEが完全に使いやすい。
これらはあくまで”上に向かってホイールをチルトする時限定”の話だけど、チルト操作を多用する人はDEFTだと相当ストレスを感じさせられることになるでしょう。
ボタン操作
親指で操作するゾーンのボタンは、パッと見どれもおなじような感じに見えますが、実際にこうやって並べてみると、それぞれ傾斜の突き方に違いがあることがわかっていただけるでしょう。(写真だと少しわかりにくいですけど)
左から、DEFT < DEFT PRO < HUGE の順で、傾斜がゆるやかになります。


実際に親指で左クリックを多用するシーンを想像してもらうとわかると思いますが、この場合、傾斜がゆるいほどクリックが安定します。
DEFTの場合だと、90度に近い角度でスイッチが配置されていることで、左クリックをする際に”小指と親指ではさみこむ”ような動作が必要となるんです。 じゃないと親指で押しただけだと本体ごと右にずれてしまうことになりますからね。
で、次に傾斜がキツいのがDEFT PROなんだけど、これはこれで問題があります。
DEFT PROは、右クリック(スイッチ)のさらに右の位置に、もう一つボタンが配置されており、親指で左クリックをした際にこのボタンに指が当たってしまって誤爆が多発します。 正直言ってこれがかなり厄介でストレスフル。

一方、HUGEは親指で操作するボタン部の傾斜がゆるやかで、リストレストに手首が乗っているという安定感もあり、それが使いやすさにつながっています。
左クリックって一番使う頻度が高いだけに、押し込み時の快適性は重視したいですよね。
そのほかにも、DEFT PROだけ親指操作ゾーンに小さめのボタンが設置されていて、これがかなり操作しにくい感じ。
親指を深く折り曲げないと押せない位置にあるし、とても自然に操作できる場所ではないということが、この画像でわかっていただけると思います。

まあ、使いにくいなら使わなきゃいいだけなんですけどね。 でもやっぱりせっかくボタンがあるならフルに使いこなしたいじゃないですか。 そういう意味ではやっぱりマイナス。
操球感
トラックボーラーにとってもっとも重要と言える項目が、ボールをコロコロと転がした時の”操球感”ですよね。
この点でもHUGEが一番大玉なので、操球感も一番快適だと言えるでしょう。
その点、HUGEとDEFT PROについては、操球時のボールのガタつきなどもほとんどなく、わりと快適に操作することができる一方で、気になるのが黒玉小玉のDEFTくん。
価格を抑えた分、工作精度も低くなってしまったのか、ボールと受けの間の隙間が大きく、操球時、とくに素早くボール操作をしようとしたときにガタつきを感じてしまうというのは、DEFTのレビュー記事でお伝えした通り。

ペリックスのボールに交換すると多少、精度と操球感は改善されるものの、隙間の広さが変わるわけではないので、結局ガタつきは感じられるのが残念。
DPI(分解能)
DPI(分解能:カーソル速度)は、HUGEとDEFT PROが3段階に切り替え可能なのに対して、DEFTは750と1500カウントの2段階のみ。
HUGE | 500/1000/1500カウント |
---|---|
DEFT | 750/1500カウント |
DEFT PRO | 500/1000/1500カウント |
まあ、価格を考えると仕方がないのかもしれませんけど、34mmという小さめのボールでの1500カウントは、速度が速くマウスカーソルの動きがピーキーすぎて、実用的ではなかった印象でした。
かといって750だとややゆっくり目に感じたので、このモデルも3段階にして欲しかったところ。
その他2機種については、用意されている3段階のどれかにしっくりと来るものがあるでしょう。
まとめ
エレコム人差し指トラックボール3兄弟「HUGE」「DEFT」「DEFT PRO」の比較レビューでした。
各項目の評価がわかりやすいように、スコア形式で表にまとめておきましょう。
HUGE | DEFT | DEFT PRO | |
---|---|---|---|
価格 | |||
ボタン操作のしやすさ | |||
スクロールホイール操作 | |||
操球感 | |||
総合評価 |
まあ、これはあくまで私の個人的な評価にすぎないのですが、こうやって項目ごとにスコアをつけてみると、その差は歴然。
DEFTは、本体とボールサイズが小さすぎるのと、ボールにガタつきが感じられるのと、スクロールホイールの上方向のチルト操作のやりにくさが致命的でしたね。
DEFT PROは、総合的に見ると悪くないんだけど、左クリックで逆サイドのボタンを誤爆してしまうという大きな欠点があり、あと「PRO」と付いているせいか、3兄弟の中でもかなり価格が高めなのもネック。
そう考えると、やはりHUGEは全体的に完成度が高い。
本体サイズが飛び抜けて大きいというのは、使う人の環境によっては大きなデメリットとなり得ますが、それさえクリアできれば価格と性能のバランスもとれていて、さすがエレコムの人差し指トラックボールの名機と呼ばれるだけあるなと。
価格を抜きにしたとしても、HUGEがダントツで使いやすいと感じていて、エレコムトラボ3兄弟最強は「HUGE」で決定! おめでとう!
DEFTは小型なので、トラックボールを頻繁に持ち歩く使い方だったりのサブ的な使い方ならあり。
そう考えると、やはりDEFT PROは中途半端な存在の不憫な子・・・
ともあれ、最後までお付き合いくださりありがとうございました!




各トラックボールの単体レビューもあるので、参考にしてください






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