そんなわけで、今回はNuleaからリリースされているフィンガータイプ(人差し指)トラックボール、「M505」のレビューです。
前々から気になっていたトラックボール、この度ついに入手成功!
前にレビューしたM512は、技適マークがついていないことで惜しくも日本国内では使用不可という残念な結果となりましたが、、

今度のM505は、国内のAmazon.co.jpでも販売されていることから、「今度は技適マークがついていてきっと日本国内でも使えるはず!」と推測し、確認することなく購入してみたところ・・・なんと本機も技適マークなし…
さらに、有線接続モードも搭載されていないことで、前回同様、日本国内では使用不可ということが判明してしまいました。
この無線設備は、電波法に定める技術基準への適合が確認されておらず、法に定める特別な条件の下でのみ使用が認められています。この条件に違反して無線設備を使用することは、法に定める罰則その他の措置の対象となります。
つまり、日本在住のトラックボールユーザーは、これを買ったところで使いようがないということになります。
それを理解した上で、それでもレビューを見てみたい!というもの好きな方だけ先へ進んでもらえればと思います。
パッケージと同梱物
さてまずはパッケージなんですが、おなじNuleaブランドということもあって、M512とほぼおなじデザインの超シンプルパッケージ。

梱包も極めて簡素で、緩衝材に包まれたトラックボールが折り曲げた段ボールに包まれて入っています。
最近の手の凝った梱包に慣れていると不安になってしまいそうですが、まあこれくらい梱包してくれていたら全く問題ないんだなあ、これが。

同梱物は、クイックスタートガイド、サンキューカード、説明書、充電用のUSBコードの4点。 ええ、もちろん説明書はオール英語で、日本語の記載なぞございませんとも。

本体の外観
で、こちらが本体の写真なんですが、なんだか黒が強調され、見にくい感じですねすみません。
カラバリなどはなく、ブラックのみの男気仕様。 表面はプラスチック製なんですが、シリコンのようにサラサラとしたマットな質感で触り心地のよい感じのやつ。 でも、皮脂のテカリが目立ちやすいとも言える。

パームレスト込みの縦に長さのあるデザイン(全長17cmくらい)は、サンワサプライのGRAVI(MAWBTTB138)とか、ProtoArc EM03とかとそっくりのデザイン。 EM03のほうはもう生産終了しちゃってるっぽいですが。

操球感
赤色ボールの直径は44mmで、人差し指タイプとしては標準~やや大きめといったサイズ感。
個人的にはボールが大きいほど操作がしやすいと思っているんですが、M505の場合は形状とマッチしているのか、絶妙に操作がしやすい感じです。

ボールを外すと見える白い3つの支持球はセラミック製。 ボールの動きを読み取る光学センサーは手前側に搭載されていますが、操作する上で精度の悪さなどは感じられませんでした。
で、肝心の操球感ですが、これがM512同様、悪くない感じなんですな。いや、むしろスルスルと小気味良く操球できると言えるでしょう。

比較的高価と言われるエレコムの人工ルビー製支持球では、操球し始めに多少のギシギシ感があるというのに、セラミック製のほうがスムーズに感じることが多いのはなぜでしょう? ともかく、いい感じであることに違いなし。

ボタンは5つのみ
一方で、ちょっと物足りなく感じてしまうのが、M505に搭載されているボタンがホイールクリックを含めて5つのみというところ。
基本の、左/右/中クリックと、定番の進む/戻るボタンのみということです。 ホイールチルトもついておらず、他ボタン至上主義派の私でなくとも、「もう少しボタンを増やして欲しい…」と感じる人は少なくなさそうな気がします。

あと、ボタン配置を変更する専用ソフトなどがないのもウィークポイント。
まあそもそも5ボタンしかないトラックボールに、そういうソフトは不必要という気もしますが(笑)
DPIや接続切り替えスイッチ類は底面に集約
M505は、Bluetooth×2 + 2.4GHz無線の、3系統の無線接続機能を備えていて、前述の通り有線接続機能はついておらず、奥側にあるUSB-Cは充電専用の差込口です。
DPIは、200・400(デフォルト)・800・1200・1600 の5段階で細かく設定可能。

ボールを外すための底穴も実用的なサイズで、人差し指を突っ込んで簡単に外せるのもいい感じです。(ひとつ前にやったOrbit Fusionはどの指も入らなかったので…)
ネジ穴がそのまま見えていたりします(市販されているトラックボールだとけっこう珍しい)が、まあ底面なので問題にするほどでもなし。

レシーバー収納スペースが用意されているのもありがたいですが、DPI やら無線接続先を変更したい時に、イチイチ本体をひっくり返さないといけないのは、これらを頻繁に使うにとってはちとめんどくさいと感じることでしょう。
エレコムHUGEと比較
M505とそっくりの人差し指タイプで、今私の手元にあるエレコムHUGEとも比較してみましょう。
44mmのM505に対して、HUGEのボールサイズは52mmなので、HUGEの方がだいぶデカいです。しかし、本体からボールが露出している面積はM505の方が広いので、操球性はこっちのほうが勝っている印象。

一方で、ボタン数は8ボタン+チルトホイールのHUGEが圧勝。 M505は5ボタンしかない上にホイールチルト機能すらないのがちょっとさびしいですな。 まあ、そもそも設計コンセプトが全然違う気もしますが。

もう一点抑えておきたいのが、もっとも使用頻度の高い親指ボタン(左クリック)の操作性です。 こうやって低いアングルから見てもらうとわかるように、M505の方が傾斜が緩やかなことで、より真下に向かって押す感じで操作します。
これによりボタンを押下するときに重力の力も手伝ってくれ、より軽いタッチと自然な動作で左クリックができるように設計されています。 どちらもカチカチと音がするクリック感のあるタイプのスイッチですが、M505のスイッチの方が軽やかで押しやすいような感じもあります。


もう一点注目したいのが、マウスに手を乗せたときのポジション。使いにくいってほどじゃないけど、なんとなくしっくりこなかったHUGEに対して、M505は自然にフィットする形状だというのも要注目ポイント。
ボタンが少ないのが惜しいけど、総合的に見て私はM505のほうが使いやすいと感じています。
まとめ:機能はシンプルだけど完成度の高いトラックボール
私はこれまで人差し指トラックボールだけでも10個くらいは使ってきましたけど、その中でもNulea M505はトップクラスの完成度の高さでした。
もちろん、ボタン数の少なさや専用ソフトがないなど、ウィークポイントも目立ちますが、トラックボールマウスとして愛用していくと考えた上で、操作性とか使いやすさってやっぱり一番大事なんだなって。
その完成度の高さゆえに、技適マークがついていないのがまじで残念。
あと、日本のAmazonだと約1万円前後とやけに高いんですよね。本場のAmazon.comだったら40ドル弱で売ってるのに。シンプルなトラックボールなので、40ドル弱だと適正価格だって感じがします。てか、インフレ中のアメリカなら、めちゃくちゃ安い部類なのでは…?
日本での知名度が上がることで将来的に技適を取得してくれるのかもしれないし、ワンチャン技適マークがついていないけど日本で使用可能という可能性もないことはないので、「どうしてもM505を使ってみたい!」という人は、Amazonとかで販売元に問い合わせしてみると、いける場合があるのかもしれません。

一応、日本のAmazonで売ってるは売ってるんですよね





もしくは、M505にそっくりのサンワサプライのGRAVIを代替とするのもありかも。


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