マウスを買ったらついてくる専用ソフトやブラウザに内蔵されていたりと、ここ最近知名度が上がってきているマウスジェスチャーソフト。
使いこなしたら作業効率がめちゃくちゃ上がる一方で、汎用性の低さが問題だったりしますよね。
たとえば、マウスの専用ソフトだとマウスを別ブランドのものに交換したら使えなくなるし、Vivaldiのようにブラウザに付属しているジェスチャー機能でもおなじことが言えます。
また、私がメインで愛用しているスリムブレードというトラックボールのKengintonWorksという専用ソフトには、そもそもマウスジェスチャー機能がついていません。

なら、マウスジェスチャーが使えるフリーソフトを導入すればどんなシーンでも使えるのでは・・!?
と思い立ち、ネットの宝物庫を探しまくってみた結果、めちゃくちゃ使いやすいマウスジェスチャーソフトを発見!
それが、ここでご紹介する「MouseGestureL.ahk」です。
マウスジェスチャーとは
マウスジェスチャーとは、マウスの動きで特定の操作やコマンドを実行できる機能のこと。
たとえば、マウスの右ボタンや中ボタンを押したまま特定の方向に動かすことで、「戻る」「進む」「タブを閉じる」「コピー」「ペースト」などの操作が素早く行えるようになります。
つまり、PC作業の効率が格段に向上するということ!
MouseGestureL.ahkのインストール
ということで、まずはMouseGestureL.ahkのダウンロードとインストールから進めていきましょう。
ダウンロードとインストール
MouseGestureL.ahkの公式サイトから、本体ファイルをダウンロードし解凍。 出てきたファイル類を任意のフォルダーにまとめておきましょう。


MouseGestureL.ahkは、AutoHotkeyというマウスやキーボード操作を自動化するソフト上で動作するソフトです。
すでにAutoHotkeyがPCにインストールされている場合は「MouseGestureL.ahk」を起動、AutoHotkeyがインストールされていない場合は「Setup.vbs」を実行します。
私のPCは、AutoHotkeyがインストールされていなかったので、Setup.vbsを実行した場合のやり方について解説します。




実行すると以下のポップアップが表示されるので、「はい」をクリック。


次に表示されるのはAutoHotkeyのインストール画面。 そのまま「OK」をクリックです。


まもなくすると、MouseGestureLのウィンドウが立ち上がりインストール完了です。
初期登録されているジェスチャーの機能
ターゲット:デフォルト の中には、すでにいくつかのジェスチャーが登録されていることがわかりますね。


デフォルトで登録されているジェスチャーの機能は以下の通りです。
ジェスチャー | アクション |
---|---|
RB_ (右クリック) | ポインター位置のウィンドウをアクティブ化 |
RB_LB_ (右クリックしながら左クリック) | ウィンドウを閉じる |
RB_← (右クリックしながら左に動かす) | 戻る |
RB_→ (右クリックしながら右に動かす) | 進む |
RB_↑ (右クリックしながら上に動かす) | 先頭へジャンプ(HOMEキーと同じ動作) |
RB_↓ (右クリックしながら下に動かす) | 最後へジャンプ(ENDキーと同じ動作) |
RB_→↑ (右クリックしながら右、上と動かす) | 直前のアクティブウィンドウを復元 |
RB_→↓ (右クリックしながら右、下と動かす) | 最小化 |
もちろん、これらの機能も自由に変更できるし、新たなジェスチャーに新たなアクションを追加することもできる。
もう、めちゃくちゃ便利なイメージができてきたんじゃないでしょうか?
ちなみに、上から2段目の太字にしている項目は、タブを閉じるではなく「ウィンドウごと閉じる」機能なので注意。 もしこれが嫌ならあとで設定を変更しましょう。
やっておいた方が便利な初期設定
本格的な使い方にいく前に、最初に設定しておくべき項目をチェックしておきましょう。
初期設定とはいっても必須ではなく、やっておいたら便利程度のものなので、自分には必要ないと感じたらスルーしちゃってください。
スタートアップに登録
アプリ間をまたいで汎用的に使っていくので、まずはスタートアップに登録しておきます。
「その他」タブから「スタートアップに登録」ボタンを押すだけで、簡単に登録できます。


ジェスチャーの軌跡を表示
初期状態でもナビが表示されるのですが、ジェスチャーの軌跡も表示されたほうが個人的には使いやすく感じます。
「軌跡・ログ」タブから、「ジェスチャーの軌跡を表示する」のチェックをオンにします。


これで以下のようにマウスで描いた軌跡が表示されるようになりました。 わかりやすくていいっすね!
線の色や太さなども自由に設定できるので、お好みで変更しましょう。


基本的な初期設定はこれでOK!
設定変更後は、ウィンドウ右下の「OK」ボタンを押さないと変更が反映されないので注意しましょう。
MouseGestureL.ahkの使い方
MouseGestureLは、マウスジェスチャーのみに特化したシンプルなソフトですが、設定画面は少々クセがあるので慣れるまでは設定が難しく感じるかもしれません。
なので、ここで設定方法も覚えておきましょう。
新規ジェスチャーの追加方法
MouseGestureLでジェスチャーを新しく追加するには、メインタブで「ターゲット」「ジェスチャー」「アクション」の3つの項目を使って作成します。
まずは、ジェスチャーを適用するターゲットから選択します。 ターゲット「デフォルト」に登録されたジェスチャーは常に有効になります。


ジェスチャーを適用したいターゲットを選んだら、右上にある「+選択中のターゲットにジェスチャーを追加」ボタンをクリック。
元から用意されているジェスチャーを選択するか、「新規ジェスチャーを定義(N)」をクリックすることで、新たなジェスチャー(マウスボタンとマウスの動きの組み合わせ)を追加することもできます。
私はすでにいくつかのジェスチャーを使用しているので、残っている RB_↓←(右クリックしながら下、左とマウスを動かす)を設定するとしましょう。


選択すると、そのジェスチャーにあらかじめ設定されているアクションが、下のアクションスクリプトの欄に表示されます。
ここから直接編集することもできますが、ちと難しいので、さらに下の「アクション」の項目からショートカットを設定しましょう。
アクションの項目が「キー操作を発生させる」になっていることを確認したら、「追加」ボタンをクリック。


キー入力ウィンドウが開くので、ここでショートカットを設定します。
枠の中で直接キーを入力してもいいし、「Enter」「Tab」「Esc」などは「特殊キー」ボタンを押すことで設定できます。
例としてここでは、「Ctrl + W」(閉じる)を設定してみましょう。


アクションスクリプトの項目に、設定した項目が追加されました。
しかし、もともと設定されていた「再読み込み」が必要ないのでこれを削除しましょう。


さらに、「Ctrl + Wを押す」だとわかりにくいので、この部分を「タブを閉じる」に変更します。


書き換えたら、「選択中のジェスチャーにアクションを摘要」ボタンを押すことで、RB_↓← の項目が「タブを閉じる」に変更されました。


右下の「OK」ボタンを押したら設定完了です。
ターゲットの追加方法
ただマウスジェスチャーを設定できるというだけでなく、アプリごとに動作を設定できるというのもMouseGestureLの便利なポイント。
ターゲット(アプリ)の追加方法についても見ていきましょう。
「ターゲット」タブを開き、「+」ボタン →「入力補助」と進みましょう。


すると、マウスポインターの横に「取得したいウィンドウを右クリック」というテキストが表示されるので、そのままターゲットにしたいアプリのウィンドウ上で右クリックするだけ。


試しにChromeを追加してみました。
わかりやすように名称を変更して、「アイコン適用」ボタンをクリックすると、自動でアプリアイコンも設定されます。


マウスジェスチャーの追加方法
前述の通り、MouseGestureLにはデフォルトで用意されているジェスチャーのほかに、手動で追加する方法もあります。
ジェスチャータブを開き、左上の「+」ボタンをクリックすると、下部のリストに新たなジェスチャーが追加されます。
次にトリガー操作の枠の中から、トリガーとなるボタンを選択。


「ボタンを押す」ボタンを押すと、右のカーソル移動がクリックできるようになるので、ここで新たなジェスチャーの組み合わせを作成します。


ジェスチャーの組み合わせを作ったら、画面中央の「追加」ボタンをクリック。 これで新たなジェスチャーが作成されました。
上部の名称は自分がわかりやすいものに変更しておきましょう。


認識設定タブの「8方向モード」のチェックをオンにすると、カーソル移動で斜め向きが選択できるようになります。(ただし斜めは使いこなすのがムズい)


さいごに
どんなマウスやトラックボールにもマウスジェスチャーを導入できる「MouseGestureL」のご紹介でした。
上でご紹介したのは、MouseGestureLのごく基本的な機能で、その他にもプラグインで機能を追加できたり、AutoHotkeyのスクリプトを導入することで、さらに複雑な動作を割り当てたりと汎用性が高いのもMouseGestureLの魅力のひとつ。
そういった使い方に興味ある人は、制作者さんの公式ブログをチェックしてみてください。
なにはともあれ、こんな素晴らしいソフトを無料で公開してくれている作者さんに感謝!
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