前回はボーズの Ultra Open Earbuds のレビューをやったわけなんですが、だったら HUAWEI の FreeClip のほうはどうなのよ? と気になってしまうのが人情(物欲)ってもんでしょう。
そんなわけで、今回は『HUAWEI FreeClip』の実機レビューをやっていきたいと思います!
特徴
HUAWEI FreeClipは、2024年2月に発売された耳をふさがないオープンイヤー型(イヤーカフ型)のワイヤレスイヤホンです。 スタイリッシュなデザインと耳に引っ掛けるだけの手軽な装着感で、オーディオマニアだけでなく一般層からも注目を集めている模様。
- 快適な装着感:長時間つけていても負担になりにくいイヤーカフ型
- 軽量:汚れやシミを軽減してくれるTPU素材の本体は約5.6gとかなりの軽量(実際相当軽い)
- 左右チャンネル自動対応:左右チャンネルに自動的医に適応するので、どちらに耳につけてもOK
- クリアな音声通話:通話ノイズリダクションアルゴリズム搭載で混雑した野外でも優れた通話性能を発揮
- 音漏れ対策:逆音波システム採用でオープン型ながらも音漏れを軽減
- ロングバッテリー:フル充電で最大8時間、充電ケース込みだと最大36時間の音楽再生が可能
- マルチポイント接続:2台のデバイスまで同時接続可能
スペック
メーカー | HUAWEI(華為) |
---|---|
型番 | FREECLIPBLACK |
本体サイズ | 約26.7 × 22 × 25.3mm |
重量 | 5.6g |
接続方式 | Bluetooth 5.3(SBC・AAC・L2HC コーデック対応) |
マルチペアリング | 2台 |
充電方式 | USB-C/Qi(無線充電対応) |
音楽再生時間 | 8時間 |
ケース充電回数 | 約4回 |
ケース充電時間 | 約1.5時間 |
イヤホン充電時間 | 約40分 |
防水・防滴 | IP54準拠の防塵防滴対応 |
価格 | 27,000円程度(Amazon調べ) |
開封と同梱物
パッケージは無駄な装飾がなく真っ白なのが、逆に高級感があって良い感じ。ところで、ファーウェイのロゴって、どっかの海外のホテルか航空会社とそっくりな気がしますね。(どこだったかは忘れた…)
箱を開けると、さっそくFreeClipの充電ケースが鎮座しております。
本体以外の同梱物は、ケース充電用の短いUSBコードと、超簡易的な説明書が付属。
しかし、FreeClipの充電ケースは無線充電の Qi に対応しているので、私はおそらくこのコードは一生使うことはないでしょう。
デザイン
充電ケースの外観はツルッとしたメタリックな質感で、Ultra Open Earbudsとそっくりな感じ。というか、Ultra Open Earbudsのほうが後発だからそっちが似ているのか。
見た目はいいんですが、イヤホンを出し入れするときの利便性を考えたら、できれば自立できるデザインにしてくれたほうが個人的には嬉しいんですが。
底面には、充電用のUSB-Cの差込口があります。
充電器のフタを開けるとイヤホン本体。
ピッカピカのメタリックな筐体は見た目にはめちゃクールでカッコいい感じっすな! ただこれを耳に装着して出歩くとなると、くっきりと好みはわかれそうな気はしますが。 でも個人的にはこの感じはキライじゃない(笑)
そしてこちらがイヤホンの本体。 ちなみに丸いほうが「ボール」で、長いほうが「ビーン」と呼びます(公式)。 うーん、まさにぴったりのネーミング(笑)
ビーンには2つの充電端子があり、耳穴側のボールの方にスピーカーを搭載。
ボールとビーンの背面にはそれぞれ小さな穴空いており、それらはマイクであると同時に、逆音波を発して音漏れを軽減するシステムが搭載されています。
実際、音漏れは思った以上に少なく、相当大きい音量で聴かない限りは周囲にうるさく思われることはないでしょう。 ハイテクっすなあ!
ディティールがわかりやすいように、イヤホン単体をアップでも撮ってみました。
装着感
FreeClipも購入してから一週間ほど連続で使用しているのですが、装着感はごく自然な感じ。 やはりイヤーカフ型はいいですね。
装着するのもほぼコツなどはいらず、充電器から片手で取り出しでそのまま耳にすぽっと装着できます。
FreeClipをつけたらどんな感じになるのかは、以下の画像を見てもらえばイメージしてもらいやすいかと思います。
この画像を見てもらえば分かる通り、ボール・ビーン・ブリッジ(細いつるのような部分)のそれぞれにタッチセンサーが内蔵されていて、どの部分をタッチしても「再生/一時停止/通話/終話」などの操作ができます。
「イヤホンのほぼ全体がタッチセンサーになっていることで操作ミスが起きるんじゃないか?」なんて心配になるかもしれませんが、実際に使ってみるとそんなことはなく、トントンって感じでしっかりとタップしないと反応せず、シングルタップで使える操作はないなど、ちゃんと実利用を想定したチューニングが行われているという印象でした。
たとえばマスクの着脱などで不意に落ちてしまうようなこともなく、洗練されたデザインだと感じます。
ただ、装着するとピアス… っていうか、ボディーピアスっぽく見えてしまうというのを弱点とするか、利点とするかは付ける人次第といったところでしょう。
音質
約10.8mmのドライバーが搭載されたイヤホンは、オープン型とこのサイズということを考えると、かなりいい音を鳴らしてくれます。
ファーウェイの技術が優れているということもあるでしょうが、下の図を見てもらうとわかるように、装着したときにスピーカーと耳の穴の位置がかなり近いという物理的な理由もあるでしょう。
一方でびっくりするほど高音質かというと、さすがにそこまでではなく過度な期待はできません。
日常使いで十分なレベルに達している、程度の認識でちょうど良いって感じでしょうか。
後述する専用アプリで音質を調整することもできますが、調整の幅もそこまで広くはなく、あくまで微調整レベルといった感じです。
機能
タッチセンサーによる操作
タッチセンサー(ジェスチャー)による操作は、デフォルトでは以下のように設定されています。
通話は音楽再生中にできる操作はダブルタップ or トリプルタップのみとなっており、上記のとおりシングルタップでは反応しないのは、誤操作防止という意味ではメリットだと言えるでしょう。
専用アプリを利用することで、ジェスチャー操作を自分好みに変更することもできます。
「イヤホンで音量調節できないのが不便」という声もあったようですが、現在は試験的な機能の項目に「長押しで音量調節」という機能が追加されており、実際に利用することができました。
マルチポイント接続
FreeClipでは、2台までの機器とマルチポイント接続して利用することができます。
私はスマホとPCで接続して使っていますが、使用感は上々。
たまに切り替えがうまくいかない時がありますが、これはBluetoothの仕様上、仕方がないことなんでしょうな。
専用アプリ
上記ジェスチャーや、ファームウェアアップデート、音質の調整などは「AI Life」という専用アプリから行うのですが、これがGoogle Playにないのが気になったポイント。
AppGalleryというファーウェイのサイトからアプリをインストールする必要があります。
そういえば、Google Playってアメリカだから、ファーウェイとはそういう関係だったよな、と。
私も、このアプリをインストールするのにはちょっと抵抗があったんですが、まあ今回はレビューするためだからしゃーない… とインストールしましたが、気になる人はインストールせずに本体のみで使っていくのもありっちゃあり。
アプリで出来ることはそう多くないので、本体のみで利用しても問題はないんだけど、一方でこれがないと本体ファームウェアのアップデートができないのが痛いところです。 最初にアップデートだけしてその後はアンインストールするか?
一応、アプリ画面も見てもらうとしましょう。
「サウンド効果」「ジェスチャー」「試験的な機能(長押しによる音量調整)」「イヤホンの検索」「(本体ファームウェアの)更新」「設定(なくても困らないのが4項目ほど)」がこのアプリでできることのすべてです。
ちなみにサウンド効果では、デフォルトを含めて4つから選択するのみで、手動で細かくイコライザーを調整することはできませんでした。 せっかくならもうちょっと自分で音質を調整できるようにして欲しいですね。
総評
一週間ほど自分で使ってみて感じた、リアルなメリットとデメリットは以下です。
メリット | デメリット |
---|---|
比較的安価で入手可能 音質は必要十分 マイクの性能がよく通話にも強い 電池持ちが良く長時間連続で利用できる | とびきり音質が良いわけではない 装着時のスピーカーと耳穴の距離が近い アプリの安全性が不明 アプリで出来ることが少ない |
イヤーカフ型イヤホンとしての音質は必要十分でありながらも、とびきり良いわけでもなく、特に Ultra Open Earbuds のイマーシブオーディオを聴いたあとだと正直、物足りなさを感じてしまったというのも事実。
その一方で、電話やチャットアプリなどの音声通話では相手の音声もクリアに聞き取れるし、相手からも「声が聞き取りやすい」と好評だったので、そういったビジネス用途ではかなり使い勝手の良いイヤホンだと言えるでしょう。
電池持ちが良くて、ケース込みだと最大で36時間もの間充電せずに使い続けられるというのも強みのひとつ。
また、おなじイヤーカフ型のUltra Open Earbudsと比べて、1万円以上安い金額で入手できるコスパの良さは、さすがファーウェイといった印象。
たとえば、音にはそこまでこだわりがなくて、PCで作業する間はずっと付けっぱなしにしときたい。 といった使い方の人にはぴったりなイヤホンだと言えます。
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