以前に当ブログで、ロジクールの「MX ERGO」と、ケンジントンの「profit ergo vertical」をやったわけなんですが、
この2つのトラックボールって、よく似た形をしてますよね。


価格帯も近しいトラックボールなので、どちらにしようか迷っている人も少なくないんじゃないだろうか。
ということで、ライバル機種であるこれら2つの比較レビューをしてみようと思った次第。
使用感や機能の違いなど、細かくチェックしていくので参考にしていただければと思います。
その1:まずは本体の外観を比較
ってことで、とりあえず2つ並べて見比べてみました。
見ての通り、サイズ感もほぼおなじなトラックボール。
「MX ERGO」は黒のみですが、「Pro Fit Ergo Vertical」の方は、白と黒のラインナップがあります。
手を乗せる部分の表面処理は、Pro Fit Ergo Verticalはさらっとしたプラスチックなのに対して、MX ERGOはマットなラバー加工でややしっとりとした触り心地です。
触れた感じは、ラバーのほうが気持ち良いけど、やや手汗をかきやすくなるという弱点もあり。
この辺は好みの問題だと思いますが、個人的にはMX ERGOのほうが触り心地が良くて好き。
その2:傾斜の違いを比較
続いて、これらのトラックボールの最大の特徴である「本体の傾斜」をチェックです。
違いがわかりやすいように、マウスのボタン側から撮ってみました。
Pro Fit Ergo Verticalは60度固定で、MX ERGOは0度と20度の2段階で角度調整が可能という違いがあります。
使用時間が長くなればなるほど、ベタ置きしたトラックボールよりも明らかに手が疲れにくいことが実感できます。
実際、どっちも使いやすいんですが、Pro Fit Ergo Verticalのほうが傾斜がキツイので、マウスからキーボードに手を移動させる際に「マウスを跨ぐ」ような手の動きになるという特徴があります。
なので、マウス~キーボード間を頻繁に行き来する使い方の人は、手を水平移動できるMX ERGOのほうがより使いやすく感じるでしょう。
逆にずーっとマウスに手を置いたままで使うなら、より傾斜がついたPro Fit Ergo Verticalのほうが手首が自然な状態をキープできます。
その3:トラックボールの操球感と精度を比較
トラックボール使いとして、ボールの滑り具合は気になるポイントですよね。
まずボールの直径は、どちらも34mmでまったくおなじです。
親指トラックボールとしては標準的なサイズで、ペリックスのカラフルなボールと交換できます。
支持球は、Pro Fit Ergo Verticalが人工ルビー、MX ERGOはアルミナセラミックが採用されています。
素の状態で使うと、操球したときにどっちの機種もザラザラ感があるので、ボナンザを塗ってあげるとめっちゃスムーズになります。

しかし、操球感がよりスムーズに感じられたのはMX ERGOのほう。
スルスルと引っ掛かりなく使えて、めっちゃ気持ち良い!
一方で、Pro Fit Ergo Verticalは、ボナンザ塗布後も若干ザラッとした感触が残っている感じ。
人工ルビーのほうが高価なはずなんだけど、なんでだろう?素材の特性の違い? 個体差があるのかもしれません。
さらにもう一つ注目してもらいたいのが、トラックボールの露出面積の違い。
Pro Fit Ergo Verticalが少しくぼんだ場所に設置されているのに対して、MX ERGOはトラックボールの周りがフラットになっているのがわかりますよね。
つまり、MX ERGOのほうがボールの露出面積が大きいということ。
見た目だと微妙な違いに思えますが、1回の操球でのポインターの移動距離が長くなるので、結果、MX ERGOのほうが操作がしやすくなっています。
それに加えて、MX ERGOには「プレジションモード」(ボールの右にあるボタンを押すとDPIが下がり精密なポインター操作ができるようになる)があるので、ポインター精度はMX ERGOの圧勝だと言えるでしょう。
その4:ボタン数とクリック感を比較
続いてボタン数と配置も見ていきましょう。
MX ERGOのボタン数は全部で6つ(無線接続用のボタンはカウントしていません)
5番のプレジションモードボタン以外は、ごく一般的なマウスとほぼおなじ配置なので、はじめての使用でも迷うことはないでしょう。
プレジションモードボタンに違う機能が割り振れるのも好印象。
Pro Fit Ergo Verticalのボタンは、全部で7つあります。
MX ERGOと大きく違う点は、ボールの下に配置されている5、6番のボタンですね。
ここにも自由に機能を割り当てることができて使い勝手が良いです。
ボタンのクリック感は、どちらもカチカチと音がするタイプのスイッチが採用されていますが、MX ERGOのほうがスイッチの遊びが少なく、操作がやりやすい印象です。
スクロールホイールは、どっちの機種も左右に押し込みと左右にチルトさせての操作が可能となっており、操作感はMX ERGOの圧勝です。
高級感があるし、回し心地も抜群に良い!
その5:専用ソフトも比較してみる
ロジクールには「Logicool Options +」、ケンジントンには「Kengington Works」というデバイス制御ソフトがあり、これらでボタンの割り当てや、ポインター速度を変更することができます。
これら専用ソフトの違いも、あわせて比較してみましょう。
まずこちら、「Logicool Options +」。
基本的な機能はひと通り備わっており、それらを設定する際も直感的で操作しやすい。
PCアプリごとに自動で切り替えできるプリセットが設定できるのは、Kengington Worksもおなじです。
Kengington Worksと違うのは、ホイールの左右チルトにショートカットを割り振れるのと、Logicool Flowが使えるという2点。
Logicool Flowを知らない人のために簡単に説明しておくと、「2台のPC間をまたいでのポインター移動や、ファイルのドラッグ&ドロップができる」という機能のことです。
いらない人にはいらないけど、欲しい人にはめっちゃ便利な機能ですね。
一方で、Kengington Worksのほうは、基本的な機能を踏襲してはいるものの、ホイールの左右チルトがいじれません。
つまり、Pro Fit Ergo Verticalの左右チルトは、デフォルトの左右スクロール機能しか使えないということになります。
普段、左右チルトでタブを移動している私にとっては、特にこれが痛かったですね。
なんでここ設定させてくれないの? ケンジントンさん…
『MX ERGO』vs『profit ergo vertical』その結果は・・・
わかりやすいように、結果をスコアで視覚化してみました!
Kengington Pro Fit Ergo Vertical | |
---|---|
本体の外観 | 4.5 |
傾斜の最適度 | 4.5 |
操球感と精度 | 4 |
ボタンの操作感 | 4 |
専用ソフトの機能 | 4 |
価格 | 4.5 |
Logicool MX ERGO | |
---|---|
本体の外観 | 5 |
傾斜の最適度 | 5 |
操球感と精度 | 4.5 |
ボタンの操作感 | 5 |
専用ソフトの機能 | 4.5 |
価格 | 4 |
記事を作る前は、もうちょい接戦になるかと思ってたんですが、実際に比較し終えてみると結果に明確な差がつくこととなりました。
総合的に見て、MX ERGOの圧勝ですね。
それぞれ、1週間ほど使ってみたんですが、目の前に2つ並べて「さあ、どっちを使う?」って言われたら、私なら迷わずMX ERGOを選択します。
それぐらい、MX ERGOは使いやすい!
ただ、値段がけっこうするのがネックではありますがね。
現時点で、Amazonで比較してみるとMX ERGOのほうが高い。しかも2,500円くらい価格差がある。
とはいえ、長く使っていくことを考えると、やはりMX ERGOがおすすめだと言わざるを得ないでしょう!


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