少し前の記事でレビューした、MX ERGOにそっくりなトラックボールマウスEM01。
使用感もまさに似た感じで、印象に残っていた親指タイプのトラックボールマウスだったわけなんですが、しばらく見ない内になんとバージョンアップ版がリリースされているではないか!
その名も「EM01 NL」!
さっそく使ってみたので、使用感や前モデルからの変更点などを率直にレビューしていきたいと思います。
EM01 NLのスペック
メーカー | ProtoArc |
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型番 | EM01 NL |
対応OS | Windows8/Windows10/Linux |
接続方式 | Bluetooth/2.4GHz無線 |
マルチペアリング | Bluetooth×2/2.4GHz無線×1:合計3台接続可能 |
DPI | 200/400/800/1200/1600 の5段階で調節可能 |
サイズ | 14.3 × 11.7 × 7.9cm |
重量 | 320g |
電源 | 充電式 |
連続作動時間 | 連続作動時間:約20~30日間 連続待機時間:約300~360日間 |
カラー | ボールの色違いが6色 |
ボタン数 | 5ボタン |
ボール径 | 34mm |
支持球 | セラミック |
開封と同梱物
前モデルからガラッと印象が変わった漆黒のパッケージにて到着。
本体の性能とはなんら関係ないとはわかっていながらも、パッケージがカッコいいとやはりちょっとテンションが上りますな!
上蓋を開けると中は簡易的な梱包なのは、最近はどこの会社もおなじ感じ。
パッケージのボールは黒でしたが、実際に家に届いたものは赤のトラックボールです。特に実感はないのですが、トラックボールのボールの色は、赤が一番読み取り精度が高いらしいですな。
本体以外の同梱物は、2.4GHz接続用のUSBレシーバー、充電用のUSB-A to Cケーブル、説明書の3点。
説明書は、日本語でもしっかりと解説してくれているのが好印象。
EM01 NL本体の外観
本体のデザインは前作から大きな変更はなく、左右クリックのスイッチ部だけがマットな質感なのも前モデル同様。
手の平にあたる部分に薄くスジが入っていてアーモンドに見えてくるボディ。公式によると、手のサイズが中~大サイズの人向けとあり、大サイズの私の手にはぴったりとフィットします。
一番大きな変更点は、「前モデルで不評だったRGBライトの廃止」です。なんで不評だったかというと、ライトをオンにしたまま使っていると圧倒的にバッテリー消費が激しかったからなんですな。つまりより実用的に進化したということ。
ないと寂しいという人も中にはいるかもしれませんが、こうやってユーザーの声を取り入れてくれるのってありがたいじゃないですか!
前モデルのレビューでは、前と後ろで操作感が違う!とお伝えしたスクロールホイールもしっかりと改善され、使いやすくなり、左右クリックスイッチとおなじく、操作時に大きな音が鳴らない静音設計。
コリコリと軽めのラチェット感で、回していて高級感のある、個人的にも好きなタイプの操作感です。もちろんスクロールの押し込み操作もできる一方で、左右のチルト操作ができないのは前モデルとおなじでした。
オンオフスイッチがある底面も、前モデルから大きな変化はなし。
右にある丸い穴に綿棒などを突っ込むことで、ボールの取り出しができます。プレートは簡単に取り外しができない仕様。
手首の緊張とストレスを軽減する傾斜角度は、0°と 20°の2段階で調節できます。傾斜角度についてもMX ERGOとまったくおなじです。
ほとんどの場合、20°で使うことが多いと思いますが、たまに思い出したように 0°にしてみると、新鮮な気分でマウス操作ができるのでおすすめです(笑)
充電用のUSB-Cコネクター周辺のスペースが狭いのもそのまま。 ここのスペースに収まるUSB-Cコードって意外になかなかないので、付属のコードをなくしてしまわないよう注意しましょう。
MX ERGOってなぜかいまだにMini-Bなので、USB-Cであるのは嬉しいポイントですな。
EM01 NLのボタン類
ボタンはたくさんあるように見えますが、スクロールホイール下のは接続先切替えボタンで、ボールの手前にあるのはDPI切替えボタンなので、実質5ボタンマウスです。
すべてのボタンが静音設計なので、カチッカチッとクリックの度にうるさい音がしないのが嬉しいポイント。
EM01シリーズには専用ソフトはありませんので、ボタンの割り当てを変更したい場合はX-Mouse Button Controlのようなフリーソフトを使用すると良いでしょう。
前モデルが3段階のDPI切替えだったのに対して、EM01 NLは5段階でポインター速度をより細かく調節できるようになりました。また、親指ですぐ切替えできるのも、ポインター速度を頻繁に切り替えながら使いたい人にとってはメリットだと言えるでしょう。
EM01 NLの操球感
ボールを取り出してみて驚いたのが、なんとこのEM01 NLは普通のトラックボールに比べて支持球がデカい!
一般的なトラックボールってゴマくらいの大きさの支持球がほとんどなんだけど、EM01 NLはその3~4倍くらい大きなセラミック製の支持球が搭載されていました。
その恩恵なのか、スルスルと滑らかな操球感で潤滑剤を塗らずともデフォルトのままでも使っていけそうなレベル(もちろん潤滑剤を塗布するとさらに滑らかになりますが)
トラックボーラーにとって操球感こそ命! みたいなところがあるので、これは大きなメリットだと言えるでしょう。ひょっとして支持球って大きいほうがいいのか!?
読み取りセンサーはボールの真下にくる位置にありました。その他余計なネジ穴みたいなのがないのも、頻繁に掃除をする必要があるトラックボールには◎
他のトラックボールと比べてみる
サイズ感がわかりやすいように、手持ちの他のトラックボールと並べて撮ってみました。
エレコムISTと比べると、やや大きめのサイズ感。
DEFT PROと並べてみると、ほぼおなじくらいの大きさです。
ペリックスの34mmボールとの相性も◎
EM01 NLには34mmサイズのボールが使われているので、ペリックスの交換用ボールと交換することができます。
こちら手持ちの、ペリックスのゴールドボールと交換してみたの図。
細かい作業をしてみないとわからないレベルですが、操球感も精度もアップします。
前モデルではペリックスのボールと若干相性が悪かったようですが、EM01 NLではジャストフィットでハマってなんの問題もなく使えております。
前モデルから着実に進化を果たしたコスパに優れたトラックボール
ぱっと見はそんなに変わっていないように見えますが、ボール操作時にギシギシとした抵抗が感じられたり、スクロールホイールの操作感がイマイチだったりした前モデルから、着実な進化が感じられたEM01 NL。
とりわけ操球感については、そこらの高級トラックボールよりも、むしろEM01 NLのほうが優秀だったという印象。
また、連続動作時間が5~7日間から、20~30日間に伸びていたり、DPI調節も3段階から5段階へと細かい点でもパワーアップが果たされております。
ホイールのチルト操作ができないのと、専用ソフトがないという惜しいポイントもあるにはありましたが、クセも少なく、基本的な操作をする分には優秀なトラックボールマウスだと言えます。
そしてEM01 NLの最大の魅力は、MX ERGOに近い機能を備えていながら、はるかに低価格という圧倒的コスパの良さでしょう。 この機能性で、MX ERGOと比べて1万円以上も安いのはどう考えてもありがたい。
シンプルながらも隙のない作りになっていることから、初心者向けの親指トラックボールの入門機としてもおすすめできる一品です。バージョンアップ大成功!
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