エレコムのトラックボールというと、これまで「HUGE」「DEFT PRO」なんてのをレビューしてきましたが、今回レビューするのは「DEFT(無印)」。
なんと3千円台で買えてしまう、人差し指トラックボールとしては最安値レベルの一品なんです。
価格を見て「コスパがいい!」なんていうのは簡単ですが、コストとパフォーマンスが揃ってはじめて「コスパがいい」と言えるわけでして…
その辺いったいどうなの・・!?
ということで、実際に使ってみた私が率直なレビューで、メリットやデメリットを語っていく記事です。
スペック
メーカー | ELECOM(エレコム) |
---|---|
接続方式 | 有線/2.4GHz無線 |
対応機種 | USBポートを装備したWindows OS、macOS搭載機 |
分解能 | 750/1500カウント(切り替え可能) |
読取り方式 | 光学センサー方式 |
ボタン数 | 8ボタン |
ホイール数 | 1個 |
ボール径 | 直径約34mm |
横スクロール機能 | ○ |
レシーバー収納 | ○ |
連続動作時間 | ローエナジーモード:約125時間、ハイスピードモード:約76時間 |
連続待機時間 | ローエナジーモード:約694日、ハイスピードモード:約694日 |
想定電池使用時間 | ローエナジーモード:約273日、ハイスピードモード:約176日 ※1日8時間のパソコン操作中5%をマウス操作に割り当てた場合 |
電源(本体) | 単3電池 |
カラー | ブラックのみ |
サイズ | 幅94.7mm×奥行124.4mm×高さ47.9mm |
重量 | 約112g ※電池含まず |
付属品 | 動作確認用単3形アルカリ乾電池×1、ユーザーズマニュアル×1 |
保証期間 | 6ヶ月間 |
注意点として、DEFTにはBluetooth接続タイプのモデルはない模様。
有線(型番:M-DT2URBK)か2.4GHz無線(型番:M-DT2DRBK)から選ぶことになりますが、それぞれ別のモデルになるので購入時は注意しましょう。
開封&同梱物
今回、格安トラックボールということで、シンプルな茶箱に商品シールが貼られたパッケージで到着。 これはバルク品ですか?
しかしフタを開けてみると、中身はいい感じに梱包されておりました。
輸送用の梱包としては必要十分な感じで、もうこのまま送ってくれてもいいくらい。(もちろん段ボールに入った状態で届きましたが)
本体以外の同梱物は、以下の3点。
今回私は2.4GHz無線モデルを購入したので、レシーバーと試用のための電池、あとは説明書ですな。 そしてやはり日本製品の説明書はわかりやすくて良い!
外観
そしてこちらが本体。
こちら黒玉モデルとなっていますが、これとは別に赤玉モデルもあります。 なお、なぜか値段は倍以上する模様。なんでやねん?
本体の手のひらに当たる部分には、銀色に光り輝く「DEFT」の文字。 でも、エレコムの公式サイトでも、Amazonでも商品タイトルに「DEFT」表記は見当たらないんだよなあ。これはDEFT PRO も HUGE もそうなんだけど、一体なんで?
手の右側にくる位置にある縦長のボタンが右クリックボタンです。 一見すると細くて押しにくいように感じるかもしれませんが、角張っているので意外にこれが押しやすい。 おそらく多くの人が右手の薬指でこのボタンを操作することになるでしょう。
ボール径は、人差し指トラックボールとしては最小レベルとなる「34mm」サイズ。
ボールサイズは大きいほうが操作がしやすいというのが私の持論なんですけど、実際このボールが操作しやすいのかどうかについては後述します。
親指のところには、各種ボタンやスイッチ類がズラリ。 エレコムの人差し指トラックボールは全部このタイプのデザインで統一されています。
スイッチはオムロン社製のカチカチとクリック音のする、ごく一般的なタイプのやつ。
最下部の、右側に「 L 」と記載されているのが左クリックボタンで、画像右寄りの「 L 」がある辺りはクリックできず、左のスライドスイッチがある側を押し込む使い方です。
青い色が見えているスライドスイッチは電源ではなく、DPI(ポインタ速度)変更用スイッチ。 750と1500カウントの2種類から切り替えできますが、このボールサイズで1500にするとピーキーすぎて使いづらい印象。
ホイールは押し込みやチルト操作にも対応していますが、チルト操作はやや硬めで、上にチルトすると本体ごと持ち上がってしまうのでちとやりにくいということも、あわせてお伝えしておきましょう。
ホイールの上にあるのは、デフォルトだと進む/戻るボタンとなっているけど、エレコムマウスアシスタントというソフトを使うことで、すべてのボタンの機能を自由に割り振ることができます。
底面は、ボール取り外し用の穴、接続モード切り替えスイッチに、単三電池と、レシーバー収納スペースがあります。
接続モード切り替えスイッチは、左から電源オフ、ローエナジーモード、ハイスピードモードの順番。
ハイスピードモードって名前がややこしいんですが、別にポインターの速度が速くなるってわけではなくて、ボールのトラッキング速度を重視したモードという意味で、こっちで使用すると電池の減りが早くなります。 でもローエナジーモードは使いにくすぎるから、私は常にハイスピードモードで使っています。消去法。
支持球
ボールを取り外すと見える、3つの赤い支持球は人工ルビー製。
光学センサーはボールの真下あたりの位置に設置されています。
サイズ感
サイズ感がわかりやすいように、ProtoArc の親指トラックボール EM01 NL と並べて撮ってみました。
EM01 NL は、ロジクールの人気トラックボール MX ERGO とほぼおなじサイズで、普通のマウスと比べるとひと回り大きめながらも、人差し指トラックボールとしては最小クラスのサイズ感だということがわかってもらえるかと思います。
機能割り当てボタン
トラックボールの左側に3つの機能割り当てボタンがあるのも、DEFT の特徴のひとつ。
前述の通り、エレコムマウスアシスタントを使うことで、すべてのボタンに自由に機能を割り当てることができるのですが、左/右クリックと、進む/戻るボタンは、ほぼ定位置ですよね。
なので、実際に使うときにはこの「Fn1 ~ Fn3」になんらかの機能を割り当てることになるでしょう。
ボタンに段差が付けられていることでブラインドタッチできるので、このボタンはわりと使いやすかった印象。
ちなみに私は以下のように割り当てています。
- Fn1:コピー(Ctrl + C)
- Fn2:ペースト(Ctrl + V)
- Fn3:ダブルクリック
ダブルクリックって意外に面倒で、指にも負担がかかる行為なので、もうダブルクリックボタンなしのマウスには戻れません。
実際に使ってみたメリット・デメリット
さて、ここからは DEFT を使ってみた私が、実際に感じたメリットとデメリットをリアルに語っていくコーナー。
ある意味、ここからが本番(笑)
メリット
DEFT のメリットは、なんといってもその安さでしょう!
そもそも一般的なマウスよりも需要が少ないトラックボール(絶対こっちのほうが使いやすいのにね!)な上、人差し指タイプで3千円台で購入できるのは、他には類を見ないレベルの安さ。
ちなみに一応なんですが、定価は「 13,299円 」(!?)のようです。
人差し指トラックボールとしては最小レベルのサイズということで、頻繁に持ち運ぶ使い方を想定すると、選択肢に入ってくるのではないかと思います。
親指で左クリックするのは最初は違和感があるかもしれないけど、わりと自然なポジションで操作できるので、すぐに慣れるはず。
あとは、ホイールの押し込みも含めると全部で8ボタン(ホイールチルトも含めると10ボタン)あって、その全部に自由に機能を割り当てできるというのも嬉しいポイント。
ちなみに、HUGE も DEFT PRO もボタン数は全部おなじです。
ボール径が 34mm であることで、ペリックスの交換用ボールと互換性があるのもメリットだといえるでしょう。
エレコムの交換用ボールも出ているけど、交換するなら絶対にペリックスのほうがおすすめです。
なぜなら、操作性とポインターの精密度がアップするから。 嘘だと思うかもしれないけど、これマジな話。
ボールセンサーの読み取りは赤色が一番適しているらしいけど、個人的には差を感じたことはありません。
デメリット
ペリックスのボールと交換できるのはいいけど、そのボール径の小ささがそのままデメリットにもなります。
私が普段使っている大玉トラックボールマウスだと、人差し指と中指で操球しながら、薬指でブレーキをかける形で操作(意識してやっているわけではなくて、自動でそうなった)していることがほとんどなんだけど、いかんせん DEFT はボール径が小さすぎるので、そういった3本指での操作がしづらい、というかできない。
必然的に人差し指1本での操球を強いられることになり、そうなってくるとやはり細かい操作がしにくいんです。
工作精度が低いのか、ボールと受けの間の遊びが多く、ボールを転がした時にややガタツキが感じらるのも、DEFT の操作性が損なわれている理由のひとつ。
そういった精度の低さから、操球した際に若干のギシギシ感もあり。
ボールに潤滑剤を塗ったり、ペリックスのボールに交換してみたりもしたけど、多少操作性は良くなるものの、やはり上位モデルと比べるとスムーズさに欠ける印象。
また、中指の先端から手首のシワまでが20cm程度ある手が大きめの私には、本体が小さすぎると感じました。
マウス本体に手を乗せる形で操作しようとすると、人差し指と中指がボールの向こう側に飛び出してしまうことになるので、意識的に手を手前に持ってきて操作する必要があります。
逆に手が小さめの人だったら、しっくり来ると感じるかもしれませんが、形状的に手のサイズの許容範囲はそこまで広くなさそうな印象だったということもお伝えしておきます。
逆にボタン類は、手のポジションを大きく変えなくても押せる位置に配置されていたから、どれも使いやすかったです。
上記の通り、ホイールを上向きにチルトする操作は、完全にやりにくいですけどね。
まとめ
そんな感じで、エレコム「DEFT」のガチレビューでした。
3千円台で人差し指トラックボールが手に入るのはたしかに魅力ではあるけど、ボールが小さすぎたり、工作精度の低さが目立ったりとデメリットも目立つ一品。
それでもこの価格帯なら多少のデメリットは目をつむれるのか、もう少しお金を出してでも日常の作業の快適性や効率性を求めるのかは、あなた次第。
まあ、私は後者をおすすめしますけどね。
あと、手が大きな人には絶対にあわないと思うので、「俺(私)は手が大きめかな」と思うなら、多少奮発してでも、おなじエレコムの HUGE とか DEFT PRO とかの選択肢もあります。
ただ、それらは本体サイズも大きくなるから、頻繁に持ち運ぶ使い方なら DEFT もワンチャンありかも?
それでは、また次回のトラックボールレビューでお会いしましょう!
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