Bose Ultra Open Earbuds(以下:BOSE)、HUAWEI FreeClip(以下:HUAWEI)、Technics EAH-AZ80(以下:AZ80)のワイヤレスイヤホン3機種の比較記事です。
はじめに
オープンイヤー型のBOSEとHUAWEIに対して、AZ80はいわゆる一般的なインナーイヤー型のワイヤレスイヤホンという、ある意味異種格闘技戦的な比較記事となります。
「なぜ、オープン型にインナー型を混ぜてやるの?」と思ったかもしれませんが、単に今、手元にこの3機種があったというのと、BOSEとHUAWEIの比較記事はすでにいくつかやっているサイトがあったからなんですね。
3機種ともに大体おなじくらいの価格帯で、いわゆるフラッグシップモデル的な完全ワイヤレスイヤホンとなっているので、迷っている方もいるのではないかということで記事化しようと思った次第です。
通常の外で音楽を聞く的な使い方もしますが、主に在宅勤務で使うことが多いので、おなじような使い方を想定している方は特に参考にしていただけるのではないかと思います。
音質比較
ワイヤレスイヤホンの比較ということで、なんといっても気になるのは音質ですよね。
私自身、オープンイヤー型を使ってみる前は「さすがにインナーイヤー型には及ばないでしょ?」なんて思っていましたが、実際のところはそんなことはなく、特にBOSEの音質は素晴らしいものがあります。
キンキンと響かない程度にチューニングされた高音と、意外にしっかりと低音も鳴らしてくれるのが、個人的に気に入ったポイント。 オープンイヤー型でもしっかりとBOSEサウンドという感じです。
あとはイマーシブオーディオ(空間オーディオ)の完成度が素晴らしく高いのも大きなメリット。
一方で一般的な評価が高いAZ80の方はというと、低音こそ弱めなものの、中音・高音域に強く、より自然な聞こえ方が特徴で純粋に音楽を楽しみたいならこれ一択だと言い切ってしまってもいいレベルの完成度の高さ。
それらに比べると、やはりHUAWEIは一歩譲ってしまうと言わざるを得ないでしょう。
必要十分な音質が確保されてはいるものの、上記2機種と比較してしまうとやはり物足りなく感じてしまいます。 後ほど解説しますが、アプリのイコライザー機能が貧弱なのも減点ポイント。
音響のプロではない私の素人感覚だと、イマーシブオーディオ有りのBOSEの音質が一番好みでした。
装着感比較
耳穴の周囲のくぼみ(コンチャ:耳甲介)にフィットするコンチャフィット形状で、インナーイヤー型としては抜群のつけ心地の良さを誇るAZ80ですが、オープンイヤー型の2機種にはさすがに及びません。
オープンイヤー型の2機種は形状の違いはあれど、どちらも付けている内に装着していること自体を忘れてしまうレベルの快適性が確保されています。
実際、これらのイヤホンを付けた状態でPC作業をしていると、デスクに置いてあるスピーカーから音楽を聞いているのと錯覚してしまうことが何度もありました。
個人の耳の形や感覚によって装着した時の感じ方の違いはあると思いますが、私が一番装着感が良いと感じたのはBOSEです。
HUAWEIもつけ心地が良いことは間違いないんですが、BOSEに比べるとスピーカー(丸っこい部分ね)が耳穴のかなり近い位置に来るのが少し気になる。
これによって半分以上耳穴が塞がっているような状態になり、オープンイヤー型のメリットが薄れてしまう印象がありました。
これらに比べてインナーイヤー型のAZ80は、特に長時間付けっぱなしにする使い方だと耳の中が蒸れたり、痒くなってきたりするというデメリットが目立ってしまいます。
過去に耳栓を付けたまま寝ていて軽めの中耳炎になってしまったことがある私の耳だと、長時間装着がやはり厳しくなってきます。(主に痒くなってくる)
ただ、この弱点はCOREIRのイヤーピースに交換することで、2時間でギブアップのところを、5,6時間連続装着できるくらいに改善することができます。
機能性比較
ノイズキャンセリング
オープンイヤー型の2機種にノイズキャンセリング機能はついていないので、どうしてもノイズキャンセリングを使いたいならAZ80一択となります。
通話性能
通話性能については、実際に数人と電話しながらチェックしてもらった結果、HUAWEI > AZ80 > BOSE という結果になりました。
こちら側の聞こえ方としてもHUAWEIが一番クリアに相手の声が聞こえたので、オンライン会議などの使い方がメインとなる場合はHUAWEIが一番の候補となります。
AZ80も十分に実用的なレベルだった中、BOSEだけが声がこもって聞こえていたので、通話メインの使い方には向いていないと思われます。
防水性能
Bose Ultra Open Earbuds | HUAWEI FreeClip | EAH-AZ80 |
---|---|---|
IPX4(あらゆる方向からの水の飛沫に対して耐性) | IP54(塵埃の侵入を完全に防止できないが動作に支障なし:あらゆる方向からの水の飛沫に対して耐性) | IPX4(あらゆる方向からの水の飛沫に対して耐性) |
防水性能については3機種ともに同レベルで、HUAWEIのみが防塵にも対応しているようです。
いずれにしても、小雨や軽めのスポーツ程度の使用なら問題ないということになります。
接続性
Bose Ultra Open Earbuds | HUAWEI FreeClip | EAH-AZ80 |
---|---|---|
2台まで登録可能(マルチポイント非対応) | 最大2台のデバイスに同時接続可能(マルチポイント対応) | 最大3台のデバイスに同時接続可能(マルチポイント対応) |
Bluetoothのマルチポイント接続では、最大3台の接続に対応しているAZ80が一歩リード。
現状、マルチポイント接続に対応していないのはBOSEだけですが、2024年末のアップデートで対応予定と公式からアナウンスされています。
接続時の安定性は、実際に使ってみた感じだとAZ80が一番安定している印象でした。
他の2機種も悪くはなんですが、BOSEはレシーバーとの距離が離れた時に粘りがなく、いきなりプツッと切れてしまうことが多く、HUAWEIはなんの前触れもなくいきなり接続が切れてしまうことがありました。
ただ、これはPCでの利用がメインで、環境によっても大きく違ってくると思うので、あくまで参考程度ということで。
接続距離については、3機種ともに大きな違いはありませんでした。(AZ80はCOREIRの金属製のイヤーピースに交換すると接続距離が少し伸びます)
連続稼働時間
Bose Ultra Open Earbuds | HUAWEI FreeClip | EAH-AZ80 |
---|---|---|
約7.5時間(イマーシブオーディオ時:約4.5時間) | 約8時間(ケース込み:約36時間) | 約7時間(ケース込み:約24時間) |
公称値の連続稼働時間はHUAWEIが最長となっていますが、実際に使ってみてもHUAWEIが一番長持ちだった印象。
BOSEでイマーシブオーディオをメインで使っていく場合は、約4.5時間と極端に短くなるのは注意すべきポイントですな。
ケース本体はいずれもUSB-Cでの給電となっており、Qiの無線充電に対応していないのはBOSEのみです。
アプリの機能
3機種それぞれに専用アプリが用意されていて、ファームウェアアップデートやイコライザーの調整などが行えます。
BOSEとTechnicsのアプリではイコライザーなど基本的な機能が搭載されている一方で、HUAWEIアプリは音質調整はデフォルトの4つから選ぶのみで、手動での調整ができなかったりと、出来ることはかなり限られてきます。
むしろ、ファームウェアアップデート以外では使うことはないのでは… っていうレベルのおまけ程度の内容。
さらにGoogle Playストアからインストールできず、インターネット上から野良アプリとしてインストールしないといけないというセキュリティ面での大きな不安要素もあります。
価格比較
Bose Ultra Open Earbuds | HUAWEI FreeClip | EAH-AZ80 |
---|---|---|
39,600円 | 27,800円 | 37,000円 |
BOSEとAZ80がどちらも3万円台後半の中、HUAWEIのみが2万円台後半という手を出しやすい価格帯となっています。
まとめ
ではこの記事で比較した情報をまとめてみましょう。
Bose Ultra Open Earbuds | HUAWEI FreeClip | Technics EAH-AZ80 | |
---|---|---|---|
音質 | イマーシブオーディオが最高 | 普通 | アコースティックな最高音質 |
装着感 | 良好 | 良好 | オープンイヤー型に一歩譲る |
ノイズキャンセリング | なし | なし | 中程度の性能 |
通話性能 | やや | 難あり良好 | 良好 |
防水性能 | IPX4 | IP54 | IPX4 |
接続性 | マルチペアリングなし | 最大2台マルチペアリング | 最大3台マルチペアリング |
連続稼働時間 | 約7.5時間 | 約8時間 | 約7時間 |
アプリの機能 | 必要最低限 | イマイチ | 必要十分 |
価格 | 39,600円 | 27,800円 | 37,000円 |
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各イヤホンがどんな人に向いているのかも考えてみました。
Bose Ultra Open Earbuds | エンタメ特化:音楽を聴くのも楽しいが、動画や映画視聴とイマーシブオーディオの相性が抜群に良いのでそういう使い方がメインの人はこれ。 |
---|---|
HUAWEI FreeClip | 在宅勤務向きの機種:音質にそこまでこだわりがなく、通話やオンライン会議などの使い方がメインの人はこれ。 |
EAH-AZ80 | バランス型:純粋に音楽を楽しみたい、ノイズキャンセリングで作業に集中したい人でインナーイヤー型を長時間装着していられるならこれ。 |
まとめ
といった感じで、3機種を比較してきましたが、やはりそれぞれ一長一短といった感じでしたね。
ただ、価格が安いということもあってか、実際に使ってみてHUAWEIだけが少し物足りない印象もありました。
逆に使っていて一番楽しかったのがBose Ultra Open Earbuds。
しょせんオープンイヤー型と侮ることなかれ。おなじBOSE製品では、Bose QuietComfort Ultra Headphones(ノイズキャンセリングヘッドホン)も持っているのですが、音の鳴り方はむしろBose Ultra Open Earbudsのほうが良いかもしれない… と思えるほどのよいサウンドを鳴らしてくれます。
聞いてて楽しくなるという意味でも、個人的にはBose Ultra Open Earbudsをおすすめしたい! ご参考までに。
各イヤホンの単体レビュー記事もあるので、あわせて参考にしてください!
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